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追伸、月子です。〜同調しやすい感受性〜No.11

道の駅で 揚げたこ焼きを注文し 窓辺の席にかけて ひとり待っていた。

月子は桜の施術を 思い返しながらいた。


「 あなたは、ひとの思いを溜めやすいね。」


どうやら 胸〜乳腺〜わき腹の辺りにかけて リンパの流れが悪いようなのだ。
桜はそちらを集中的にケアしてくれた。


月子は 数週間前に行った 乳腺の検診を浮かべていた。その時のことを自然と桜に話していた。


ひとから言われたこと または感じとったこと つまりは、ひとから受けるもの というのを月子は 自分の内に取り入れてしまいやすいのだろう。
という桜の言葉に 月子は深く納得していた。


月子は普段 老人ホームで働いている。
平日の週5日 昼までのパートだ。入浴介助をするので よほど体力はいるが 毎日2. 5時間の勤務なので さほど長くはない。


それなのに、月子は仕事が終わると同時にぐったりとなってしまうのだ。家に帰れば 床に カラダが引っ付いてしまったかのように からだが離れない。お昼寝が月子の日課となってしまうほど 体力は消耗しきってしまっていた。


いいと聞く健康法は素直に試してみた。毎朝プロテインを摂取していた頃もあったし 炊いた小豆と そこからでる小豆茶まで飲んでいた。

ラジオ体操や 往復4キロの道を歩いたり YouTubeを見ながら軽いダンスやヨガをしてみたりもしたが どれも長くは続かなかった。

唯一根気よかったのは 朝食のどんぶりたっぷり飯。吐きそうになるほど食べた。カラダのためではない。ただただ退勤まで体力が持つように。


そして、今年4年目。

何か変わっただろうか。苦手だったコミュニケーションも少しずつとれだしたし 私生活での学びも多かった分 精神力も少しは鍛えられた気はしている。しかし 心身ともに波はよおくよおく感じていた。なんとか、なんとか、やってこれたという感じ。


それと気付いたことがある。
不思議なのだが さっきまで元気だったのに 仕事が始まると一気に からだが重くなる。
それから、体調が悪くなりだすと 瞬く間に職場から体調不良で長く休むひとが出たり 続いたり流行り病が蔓延したりする。

同調しやすいのか そうなることを勝手に予測して先取りしていたのか 謎ばかりだった。


「 そういう場所はひとが多く集まるから 受けやすいし疲れやすいの。」


確かに、桜が言うことは一理ある。

職場だけではない。子どもが通う学校でも。結婚前に数か月で退職してしまったリラクゼーションの仕事でもそうだった。何なら子ども時代から その兆候はあり疲れやすい子だった。


今の職場なんて 直接カラダを扱う職種な分 負担は大きいのは何となく感じていた。だから自分は “ 気 ”というものをひとよりも感じやすいタイプなのだろうと思っていたからだ。


頬に手をやり 外の道行くひとを ぼんやりと眺めていた。おばちゃんの元気な声で番号が呼ばれ 揚げたこ焼きをカウンターまで取りに行く。


宵のマリー☪




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