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オハイオ州 「ニール・アームストロング航空宇宙博物館」 :宇宙への挑戦というロマン。

ニール・アームストロング航空宇宙博物館に行ってきた

1969年7月20日に人類は初めて月に足を踏み入れる。月に到達したアポロ11号計画の船長は皆さんご存知「ニールアームストロング氏」。

彼の出身地であるオハイオ州のワパコネタという田舎町に「Armstrong Air & Space Museum(ニール・アームストロング航空宇宙博物館)」がひっそりとある。実際に行ってきたので、今回の記事は博物館の紹介と感想を語ろうと思う。

「ワパコネタ」という町

オハイオ州中心部から約2時間ほど運転した、オハイオ州東部に位置する田舎町。華やかな要素は一切なく、湖を中心としたキャンプ場や、ちょっとした別荘地があるくらいだ。娯楽施設や飲食店等も少なく、空港からのアクセスなども考えると観光客等はほぼ寄り付かない地域だ。

人口は約1万人。

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ワパコネタのダウンタウン
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ニール・アームストロング航空宇宙博物館

ニールアームストロングってどんな人?

Neil Alden Armstrong, 1930年8月5日 - 2012年8月25日

空軍のテストパイロットを経て宇宙飛行士に任命される。彼が宇宙飛行士に選ばれた最大の理由は彼の常人離れした性格にあると言われている。

彼は幼少期から常人離れに「冷静」だったとのこと。いかなる状況においても彼は平常心を保ち、確実にミッションを遂行したそうだ。

こんなエピソードがある。

テストパイロット時代にニールが乗る飛行機が不具合を起こし、火煙をまとった。地上で見守る同僚や司令官は即座に脱出を指示するが、ニールはそれを拒否。彼が言うに「この状況であればまだ大丈夫。それよりもこの状況で飛行機がどういう動作をするのかを知る必要がある」と告げテストを継続したそうだ。そしてニールが脱出し、パラシュートで空を下ったその瞬間に上空で飛行機は爆発した。ギリギリで脱出したニールのもとに人が集まると、平然とした顔で「いい情報が取れた。さぁ次のテストだ」と去っていったという。

この類まれな「冷静」さは当時の宇宙飛行士にとってもっとも必要な特徴であった。なぜならアポロ11号に搭載されていたコンピューターは現代の家庭用ゲーム機やスマホなどよりも劣る性能だったからだ。大部分の操作はマニュアル操作で行われていた。未知の世界、何が起こるかわからない状況、緊張感、責任感、全てを背負い込みながらも正確な操作が求められる。失敗など一切許されない。そんなミッションにニールは最適な人材だったのだ。

ニール・アームストロング航空宇宙博物館

この博物館の導入部分は彼が育った町「ワパコネタ」の歴史や、彼の成長の軌跡を写真や彼の私物で語る。導入部分を過ぎると、一気に宇宙感が増す。

そこにはアポロ11号の模型や、彼が実際に着た宇宙服、月面を調査したラジコンみたいな調査機等アポロ11号にまつわる展示物が数多く配置されている。さらには月から持ち帰ってきた石の実物も展示されている。

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月の石

資料コーナーでは、当時のロシアとの宇宙開発競争についてや、その他アポロ計画の歴史、女性の活躍など多種多様な情報を見ることができる。

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アームストロング船長が乗ったジェミニ8号の実寸大模型
(身動きが取れないほど狭い…)

宇宙開発競争のロマン

1957年から1975年まで続いたアメリカ合衆国とソビエト連邦の間で「どっちが先に月に到達するか!?」を競い合った競争の事をいう。

「宇宙を制すると人工衛星などでスパイ活動などができる」等冷戦中の政治的背景はあるのだが、国民レベルでは人類の宇宙進出に心を踊らせ、さらなる進化を楽しみにしていたのではないだろうか。1961年にアメリカのケネディー大統領は以下のように熱意を込めたメッセージを世界に発信する。

「世界中の未来への鍵が眠っているかもしれない宇宙の達成を行動に移す時が来た。10年以内にアメリカは月面着陸を可能にし、地球に安全に帰還させるッ!」

まるで、ワンピースのような話ではないか。このスピーチから世界を巻き込む大宇宙時代が始まったのではないか。

実際にアメリカ合衆国がニール・アームストロング船長率いるアポロ計画にて月面着陸をしたとき世界が湧き上がった。

月面着陸の日の各国の記事

この博物館で一番印象に残った展示は「月面着陸に対する各国の反応」。1969年7月20日に月面着陸が成されたその日の世界各国の新聞記事を展示している。

未知の世界へ挑戦し、達成し、人々の「世界の広さ」の概念が一気に変わった1969年7月20日。古びた紙からも興奮と憧れの温度感がしっかりと伝わってくる。

もちろん政治的観点で手放しで喜べなかった人もいたかもしれない。しかし、人間の本質である好奇心と冒険心を無条件に燃え上がらせたこの日。もしかしたら世界は一つになったのかもしれない。その注目の中心にいたのがニール・アームストロングという男だった。

ニール・アームストロング航空宇宙博物館に行って

空を見上げて「宇宙に行きたい」と思った人達。前人未到の目標に向かって研究を一心不乱に続けた人たち。行ったことないのに「宇宙に行ける!」と言い切った人達。それを信じて「なら私が行く!」と志願した人達。「行ってらっしゃい」と見送った家族。どの人も想像を絶する変人だなと今回の訪問で思った。

好奇心が命を凌駕し、野心が理不尽に自分を突き動かした結果とんでもないことをやり遂げたのだなと強く感激した。常識を疑い、未知に憧れ、夢になり、リスクなどかえりみず、野心を持って突き進む。そういう生き方に憧れた。

世界は彼らの様な変人の手によって大いなる発展を続けてきたと言わざるを得ない。この博物館でそんなロマンを知ることが出来たと思う。


-YOHUKASHI BLOGについて-
1989年東京生まれ。
アメリカはミシガン州にてマルチメディアのマーケティングと商品企画をしながら、
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