外国語学習ブーム~憧れ、実利、需要~
新型コロナ感染者急増による世界各国でロックダウンなどの策が講じられているなか、
外国語学習のブームが到来
しているという記事がありました。以下今回話題にしたいポイントの引用。
Only 9% of respondents said they had kept up the foreign language they learned at school, but 64% wished they had done so. 学校で習った外国語を続けていたと答えたのはわずか9%だったが、回答者の64%は続けていくことを望んでいた。
In fact, research has shown that studying a new language can stimulate the brain and enhance creative thinking and mental agility, regardless of the student’s level of proficiency. 実際、新しい言語を勉強することで脳が刺激され、生徒の習熟度に関係なく、創造的思考や精神的機敏性が高まることが研究で明らかになっている。
Some of the big winners of the Covid-19 economy, such as global film and TV streaming services and online retailers, are also boosting demand for translators who can provide subtitles, dubbing and product descriptions in different languages. グローバルな映画やテレビのストリーミングサービス、オンライン小売業者など、コロナ禍の経済の大勝利者の中には、異なる言語で字幕や吹き替え、商品説明などを提供できる翻訳者の需要を後押ししているものもある。
記事の内容を受けて、私の考えを以下の三点にまとめました。
①自粛期間で自分の時間が増えたことにより、「憧れ」だった外国語学習に時間を費やせるようになった。
②英語圏の人間にとってはグローバル言語の英語をすでに使えるので外国語学習は必須ではないのだが、外国語学習という行為そのものに「実利」があることがわかってきた。
③DeepLなどのAI翻訳の躍進により、複数言語を使えることのメリットは減ってきたかに思われて世界だったが、実際にはコロナ禍の世界では、グローバルな映画やテレビのストリーミングサービス、オンライン小売業者などでの翻訳や、会えない中で行われるZoom会議での通訳などの「需要」が増えている。
実に面白い現状です。世界で国家間のやりとりは
閉ざされた
のに、世界をつなぐ外国語学習はむしろ
開かれた
のです。
そもそも、外国語を学ぶ時のきっかけというかモチベーションは先ほどの
憧れ、実利、需要
が大きいですよね。私も、洋楽が好きだったから歌えたらカッコいいだろうなぁというような「憧れ」だけで、割と適当に選んだ大学の学科が英米文学科で、その後は英語が使えると就職に役立ち、就職した後も英語力さえあればくいっぱぐれという金銭的な「実利」をベースに学習を続けていくなかで、外国語学習がもつ視野の広がりなどの人間の成長的な「実利」を実感し、結果として社会に私の英語力に対する「需要」があるから今お金を稼いて生きていけているという状態です。もちろん英語力だけではなく、ほかの部分でのスキルも大いに磨いてきたつもりですが、その根底には、英語力があってこそ初めて価値がある職種にしか私に対する「需要」はありませんので、私から英語を取ったら、ただの変人であり、もしかしたら社会に居場所はないのかもしれません。
外国語学習は適切な方法で続ければ誰でも上達するという点で、
かなりフェア
なものなので、思い立ったが吉日で今の自粛期間に始めるのはとても良いことですね。というか、私なんか今の大学生は結構羨ましいとすら感じてしまいます。オンラインだけって、それむしろ
好きな勉強し放題じゃん!
って思えてしまうのですが、おかしいですかね?もちろん図書館とかも利用できないとすれば、それは可哀そうですね。大学と言えば、卒論などの本気になった時は図書館などに籠って研究するのが醍醐味ですからね。
狙いの外国語学習が英語であれば、現実的なラインとして、
英検準1級、TOEIC900以上、TOEFL ibt 80以上
辺りを数値的な目標にして、実際のTo do的な視点で考えれば、
洋書を読み通せる、英語を話すのが怖くない、考えが伝わる、洋画が7割程度理解できる、英語の情報源を生活に活用できる
のような状態を目指して学習・トレーニングを続ければ、
英語ユーザー
になることは約束されているので、後は正しい、いや何が正しいかは人によって違うのでこの場合は、間違っていない
ハウツーのメソッド
をしっかり理解して学習・トレーニングに励みましょう。どうやって進めたらいいのかわからないという場合は、
二つの方向性のどちらを取るか
から決めていくと良いです。
①日本語を使い英語を学ぶ(学生向けで試験にも対応可能で偏差値をあげつつ英語力も上がる)
②英語だけで英語を学ぶ(社会人向けで試験にはやや向かないが使える英語力はこちらの方が身につく)
どちらかが正解ということもないので、自分の環境や好みで決めると良いでしょう。教材の豊富さや入口の易しさ的に①の方がいいですが、最終的には②の方が実際使える英語力はついてくるので、①である程度上達(英検2級以上とか)してから、②に移行するのも良いかと思います。
①のメソッドの代表作は、森沢洋介「英語上達マップ」
②のメソッドの代表作は、西ジェームス 「英語は「英語で学ぶ」とうまくいく」
辺りになるかと思います。これらのメソッドの一部を自分なりにアレンジして学んでいくと先ほどの数値目標辺りまでは
約束されています
実は、その先が一番難しいところなんですけど、この時点ですでに「英語が出来る人」というポジションにはいるはずですよ。注意点は、
資格試験のための勉強をしすぎない
ということです。それは、憧れであり実利と需要に対するアプローチとして決して間違ってはいませんが、資格試験の合格で
バーンアウト(燃え尽き症候群)
になってしまう可能性が高いのも事実です。資格試験の勉強は私は好きでしたが、それにこだわり過ぎて諦めてしまい英語嫌いになる人も一定数います。実際今取り組んでいる勉強は
楽しいのかどうか
を常に振り返りながら取り組んでください。外国語の習得は
超長距離走
なので、続けられるかが特に大事で、入り口と辞めちゃった時に戻ってくるべき自分なりの
ベイビーステップ(例として「お風呂のあと、机に座り単語帳の1ページ音読」みたいな、全く負担にならず、絶対に失敗せず、かつ一旦辞めてもすぐ戻ってこられる取り組み)
を決めておくと継続しやすくなります。
英語学習については語れば永遠と文章を書いてしまい読みにくくなるので、今回予想以上に長くなりましたがこの辺で、