【映画コラム】Don't Worry, He Won't Get Far on Foot(2018)
ガス・ヴァン・サント監督作品。実在の風刺漫画家であるジョン・キャラハンの伝記映画である。『her』に出演するホアキンフェニックス、ルーニーマーラが再共演。
ストーリー要約
この主人公は実在の風刺漫画家であるジョン・キャラハン。アルコール依存症の彼はそれが原因で車事故に遭い、胸から下が麻痺になってしまう。自分の不幸な状況を恨み、また酒に溺れてしまう。彼はヘルパーの勧めで禁酒セラピーに通うことになり、その過程で自分を見つめ直し、自分を取り巻く周りを見つめ直すことで前向きに生きる道を見つける。
捉え方で世界は変わる
主役を取り巻く周りには自分を助けてくれる様々な人がでてくる。親身に接してくれる禁酒セラピーの主催、怠け者だがいつも自宅で介護してくれるヘルパー、セラピスト、身障者センターの担当。こういった映画を見ると周りに恵まれてるからだ。と思うかもしれない。けどそれも個々が周りをどう捉えるかではないだろうか。
全く同じ状況でもどう捉えるかで意味が全く変わってしまう。
例えば本は場所をとるし、劣化するし、持ち運びに不便なので電子書籍の方が良いという捉え方もあれば、紙質を感じることができ作り手のこだわりを触覚で体感できる、ディスプレイよりも目への負担が少ない、人に貸して共有することができる。など捉え方によって全く変わってしまう。
捉えることができる範囲はその人の理解力そのものだ。まずは相手のことを理解することで少しでも人生が豊かになっていくのかもしれない。