うんちくたれ太郎の"身体能力強化クラス"
身体能力強化クラスというのをやっている。
名前の通りで、
"身体"の"能力"を"強化"するクラス。
シンプルすぎて、
わかるようでわからない
このネーミング。
やることも決まってなくて、
振付も何もない このクラス。
なにも決まってないから毎回真剣勝負なんだけど..だから面白いし遠慮なんてしてる場合じゃない。
ちょっと不思議な名前だけど、僕はこの名前がすごく気にいってる。
僕はうんちくが大好きだ。
前に何度かちいさなダンスのチームをやっていたんだけど(レッスンやイベントをやっていた)、レッスンやリハーサル、休憩時間や帰るときのその人の顔をみて、聞かれてもいないのに一人一人に勝手なアドバイスをするのがなによりも好きだった。もしかしたら踊り以上に情熱を注いでいたかもしれない。というか注いでた。
余計なお世話だしほんとはそんなこと思ってなかったかもだけど、踊りをみればなんとなくその人がわかる気がした。性格や考えてる思考は身体にあらわれているし、話そうとしてなくても身体はもう話してる。踊りに嘘はつけない。
僕は力の限りうんちくを垂れる。それでその人の"踊り"が変わろうものなら、それはもう最高に嬉しいことで、なによりもうんちく冥利に尽きる。
うんちくに大切なのは、思いやりと思い切りだ。
相手を360°で包み込む大海原のような"思いやり"と、背後からゆっくりと近づいておもいきりスリッパで頭をひっぱたくような"思い切り"がなによりも大切だ。油断してはいけない。
うんちくは真剣勝負。
是非、うんちくたれ太郎と呼んでほしい。
そんな僕が好きなだけうんちくを垂れまくることのできる夢のようなクラス、それがこの身体能力強化クラスだ。
踊りの経験がある人
踊りの経験がない人
ずっと踊ってみたかった人
自分の気持ちに正直になりたい人
昔のことが忘れられない人
今のこと忘れちゃう人
本気になりたい人
女王になりたい人
本当にいろんな人がいる。
そして、本当にいろんな踊りがある。
ひとりひとりと
踊って、
話して。
踊って、踊って、
また話す。
みんな最初は照れてるんだけど、
少しづつ思い切ってきて、
クラスの終盤には、
少しづつ"ほんと"が見えてくる。
いつも自分の頭のいろいろを
ジーッと見てる身体の奥の奥の方。
もうたくさんだよっ!!って言ってる
そいつを揺さぶって鳴いてもらう。
ゆっくり丁寧に、そっと強く。
それがうつくしいな って思ってる。
綺麗で汚くて、
がむしゃらで一途。
なんでかこういうときに肝心のうんちくは出てこなくて、僕はだいたい黙って見てる。時間が壊れちゃったみたいにゆっくりで、綺麗事がスローモーション。たぶん、うんちくたれ太郎も眠っている。
踊りのなにがいいかって、
その人を美しくすること
だと思ってる。
みんないい顔しとる。
そして、毎回なぜかお誕生日の人がいる。
可愛いケーキ。
なんと!僕ももらえました。
みんなからのバレンタイン。
しかも、僕がクラスで喋ってた
うんちく入りのケーキ。すげぇ。
スタジオにあった落書き。
これめちゃくちゃ笑った。
*
身体能力強化クラスというのをやっている。
名前の通りで、
"身体"の"能力"を"強化"するこのクラス。
ちょっと不思議な名前だけど、
この名前も時間も、
一人一人の踊りも、
僕はすごく気に入ってる。
いつだってこの体が自分だと思ってる。