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プレゼンや面接で使ってはいけない言葉?!

アナウンサーとしてのプレゼン歴17年。

何の専門家でもない私が、時に中東情勢、時に流行りの感染症、はたまた日米の金利差、、などに関し行うプレゼンが約20分間公共の電波に連日のっています。

コロナ禍には医療従事者や専門家から聞き取った内容を、できるだけシンプルにかみ砕きテレビで伝えるということを毎日行いました。

現在は国内海外のニュースに関し、その分野に詳しい先生方や当事者に話しを聞き、その内容をどう万人に分かり易く届けるかという格闘を日々行っています。

こんな作業を毎日している中で培ったノウハウは、もしかするとビジネスシーンにおいてプレゼンをする機会がある皆様、就職活動においてのパフォーマンススキルを高めたい学生などに役立てて頂けるのではないかと最近ふと思いました。

小出し小出しで発信します。

僭越ながら、私が考えるプレゼンスキルとは何か、人の理解を促す伝え方にはどんな工夫がいるのか、皆さんと共有していきたいと思います。

今回はタイトルにもある通り「使ってはいけない言葉」について。

決して差別的な表現や放送禁止用語の話しをしようとしているのではありません。

では、一体何か。


同じ言語なのに、ある特定のグループ内でのみ理解される言葉、一定の年齢層にしか分からない表現というのが実はたくさんあります。


例えばドクターをスタジオに招き生放送内で感染症やワクチン接種に関して聞いていくという放送において。

お医者さんもできるだけ分かり易く伝えようと努力はして下さいますが、やはり時々一般の人には理解しづらい言葉が出てきます。

「このワクチンはバイアル1つからだいたい5人分とれます。」

例えばこういう発言があった場合、人によっては前後の文脈から何となくイメージができたとしても、多くの視聴者は完全に理解はできないのではないでしょうか。

アナウンサーはすかさず「ワクチンが入っている瓶のことですね。1瓶から5人分とれるのですね。」なんてフォローを入れる訳です。

我々はそういう言葉のフォローをするために取材をし、事前に何度も専門家と話しをします。

あくまで一例ですが、これに似たことは就職活動のシーンでもよく見られます。

自己PRやエントリーシートなどは確立されたものをしっかり用意する学生が多いのに対し、いざ面接が始まると普段の”学生言葉”がたくさん出てきます。


「部活はチアでした。」

チアリーディング部に所属していましたと言えば、誰もが理解できるのでは。


「インカレで優勝したあの瞬間は一生忘れません。」

運動部の学生同士の会話では誰も小首を傾げることはないでしょう。

しかしインカレは、果たして全ての大人が分かる言葉でしょうか。

インターカレッジの略であるインカレ。

大学におけるスポーツ競技の全国大会をさすことが多いです。

全日本学生選手権の通称としてよく使われています。

ただ、これもシンプルに「全国大会で優勝した時は」の方が親切ではないでしょうか。


「アメリカの大学で2セメスター、経済に関して学びました。」

およそ1年で良いのでは。


「ALTの方から聞いたイギリス文化に憧れて、、」

英語の授業をサポートしてくれるイギリス人講師、ぐらいの説明はそんなに時間がかかるものでもありません。

同じ世代、同じ境遇の者同士の会話では相互理解ができる言葉でも、相手が違えば伝わらないことは往々にしてあります。


ここで、人前で話す機会がある皆様に是非知って頂きたい考えがあります。

聴衆は、よく分からない言葉が出てくると脳にある種のブレーキがかかると私は思っています。

仮にその言葉そのもはそのプレゼン等において重大な意味を持っていなかったとしても、聞き手の思考が一瞬でも止まるということは、実はその後に出てくる、伝え手にとっても最も重要なポイントが、うまく伝わらないということに繋がります。

つまりプレゼンや面接では、いかに聞いている皆さんが理解を深めるプロセスで不必要なつまずきや、立ち止まりをさせないことが重要です。

その大前提があってこそ、伝えたいことの本質がやっと理解され、記憶として残るものです。

私は生放送でプレゼンをする前に、自分が使う単語、プロジェクターに表示される言葉、それら全てが果たして大衆にスムーズに理解してもらえるものかどうかを徹底的にイメージします。

専門性の高い内容を、できるだけ専門用語に頼らず伝えるか。

難しいことですが、ちょっとした気配りで大きく改善できるポイントです。


コンセンサス、ガジェット、インタラクティブ、ローンチ。

そのプレゼンにおいて絶対に使わなくてはいけないカタカナ語でなければ、易しい言葉への言い換えはできないでしょうか。


もちろんビジネスシーンのプレゼンにおいては、聞いている側も喋り手と同じような専門性を持ち合わせた人たちということも多いでしょう。

専門用語を上手に散りばめることで、全体としてスタイリッシュに見えるパフォーマンスを演出するという考えもあるでしょう。

ただ、多くの人に理解をしてもらうという部分を大切にしたいプレゼンや面接の場合は是非この「使ってはいけない言葉」という考えを参考にしてみて下さい。

皆さんのエントリーシートに書かれている全てのワード、面接での自己PR、プレゼンで使う資料、果たして誰もが理解できるものか是非目を光らせてみてください。

劇的に変わると思います。

ちなみに私は日々こんなプレゼンをしています。

まだまだ改善の余地だらけですが、ご参考まで。


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