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酒量を増やすと、2ヶ月遅れで体重は増える

アラフィフ世代の私はそれなりに健康に気を付けています。30歳くらいから体重はこまめにチェックしていました。お酒が好きだし、仕事関係の懇親会も多いので、2年半前からアルコール摂取量も計算しています。

夏期休暇で少し時間もあるので、たまには受験以外の統計分析でもしてみようかと思い、体重とアルコール摂取量の分析をしてみました。

1. アルコール摂取の基準量

厚生労働省が「節度ある適度な飲酒」を定義しており、1日平均純アルコールで約20g程度となっています。純アルコールなので、アルコール度数×飲酒量×0.8で計算されます。ビールだと500ml、日本酒だと1合に相当します。

私は純アルコール量を算定する表計算シートを作っており、お酒を飲んだあとに、種類ごとにだいたいの飲酒量を入れて、アルコール摂取量を毎日記録しています。その際には、アルコール摂取量を20gで割った基準倍率を算出しています。これが2倍を超えると生活習慣病リスクが高まるので、2倍を超えないようにチェックしています(しばしば2倍を超えますが・・・)。

2. 体重とアルコール基準倍率の関係

生活習慣病リスクの別の指標が体重です。肥満になると糖尿病や動脈硬化のリスクが高まるそうです。それなら、飲酒(アルコール摂取)と体重は何か関係があるかもしれない、ということで、データを眺めて分析してみました。まずはそれぞれの推移グラフです。

グラフ1

青の折れ線が体重(左目盛)、緑の折れ線がアルコール基準倍率(右目盛)です。アルコール基準倍率は1.0倍が「節度ある適度な酒量」、2.0倍を超えると生活習慣病リスクが高まる水準です。アルコール摂取量の記録を付け始めたのが2022年4月からなので、約2年半のデータです。

ぱっと見た感じ、青の折れ線と緑の折れ線は似たような動きをしています。ただ、緑(アルコール基準倍率)に対して、青(体重)は少し遅れて追随しているような印象です。自己相関ではありませんが、コレログラムのような感じがします。

そこで、体重に対してマイナスのラグを入れて、アルコール基準倍率との相関係数を調べてみました。その結果は、ラグなし(0ヶ月=上記グラフ)では相関係数は0.0671とほぼ無相関だったのが、マイナスのラグを数ヶ月入れると相関係数は0.2を超えて、わずかな相関が確認できるようになりました(表1)。

表1

表1を見ると、相関係数はマイナス2ヶ月のラグがピークのようなので、ラグなし(0ヶ月)とマイナス2ヶ月のラグの散布図を作って見ました(グラフ2)。左がラグなし、右がマイナス2ヶ月のラグです。確かに、右の方が相関しているように見えます。

グラフ2

そこで、アルコール基準倍率とマイナス2ヶ月のラグの体重の推移グラフを作ってみます。体重にマイナス2ヶ月のラグが入るので例えば、2024年4月においては、アルコール基準倍率は2024年4月のデータですが、体重は2ヶ月先の2024年6月のデータとなります。

グラフ3

だいぶ動きが一致している感じがします。相関係数は0.2822とかなり弱い相関ではありますが、グラフの印象も合わせると、マイナス2ヶ月の体重のラグは妥当なようです。

3. 結論

今回の分析の結果、「酒量を増やすと、2ヶ月遅れで体重が増える」ことが確認できました。特に、酒量がアルコール摂取基準(1日に純アルコール20g)の2倍を超える場合、アルコールによる生活習慣病リスクが高くなるのに加えて、2ヶ月遅れて体重が増えて、肥満による生活習慣病リスクも高まるということになります。

「酒は百薬の長」と言いますが、飲み過ぎはダブルで健康に悪そうなので、ほどほどにしようと改めて感じました。

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