よはし

アラフィフのビジネスマン。メーカー系IT企業で働いています。中小企業診断士の資格は持っ…

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アラフィフのビジネスマン。メーカー系IT企業で働いています。中小企業診断士の資格は持ってますが、いわゆる社内診断士です。日々の仕事や生活で感じたことについて、テーマ不定で書いています。

マガジン

  • 仕事に役立った学問

    20年くらい仕事をする中で、大学で勉強したことが役に立っていると実感してます。私が大学で学んだ学問が、どのように仕事に役立っているかを書いてみました。

  • 受験データの統計分析

    ネットで話題に出る「東大は簡単になった」、「国公立と私大の偏差値の差は5」などの命題に対して、データを集めて簡易な統計分析で検証を行っています。

  • 新卒採用の面接官の経験談

    20数年の間に何度か新卒採用の面接官をやってきました。1次面接、2次面接、最終面接の面接官を経験してます。面接官が学生をどうみているかの私見を書いたものです。

最近の記事

企業の経営スタッフに必要な統計学はどのレベルか?

子供の受験をきっかけに、高校や大学の進学データや偏差値の統計分析を始めて、それをnoteの記事にしています。そんな中、ある記事のコメント欄で、私が統計学をどのように学び、仕事で活かしてきたのか、というご質問をいただきました。筆者について関心を持っていただけるのは、有り難い限りです。 ただ、私は統計学については専門家ではありません。民間企業の経営企画の仕事で、基礎レベルの統計知識を使ってきた実務家です。偉そうに統計学について語るほどの知見はないのです。でも、学問として学んだこ

    • 親世代の愛知県の進学校(30年前)と子世代の首都圏の進学校(現在)の学力レベル比較

      前回の続きです。 愛知県出身で東京在住の私には「首都圏の高校の名前を聞いても、どれくらいの学力レベルの高校なのか感覚的にわからない」ということで、試行錯誤して分析してきた愛知県と首都圏の進学校の学力レベルの比較を、前回に記事にしました。 ただ、前回行ったのは、現在の愛知県の進学校と現在の首都圏の進学校の比較です。具体的には、2020−2024年度平均の難関大学進学率の推定値を比較しています。 一方、私たち親世代の高校の感覚は30年くらい前のものです。そのため、愛知県出身

      • 愛知県と東京の進学校の学力レベルの比較(直近5年)

        愛知県出身で東京在住の私にとって、子供の受験で最初に困ったことは「首都圏の高校の名前を聞いても、どれくらいの学力レベルの高校なのか感覚的にわからない」ということでした。それなら、大学の合格実績を見て比べてみようと思い、いくつかの高校を調べたのですが、そこには比較する上での落とし穴がありました。 その落とし穴は、「地帝(名古屋大)>早慶の愛知県」と「早慶>地帝の首都圏」のギャップです。すごく感覚的に言うと、愛知県で「東大D判定、京大C判定、早慶B判定、名古屋大A判定」なら名古

        • 早慶本命率は浪人になると10%(0.1)下がる=浪人すると早慶併願数が+0.8学部となる

          地方出身の筆者は、首都圏の高校の学力レベルが直感的にわかりません。それは、地方進学校だと、地元の旧帝国大(北大・東北大・名古屋大・大阪大・九州大)などに進学する学力上位層が、首都圏だと早稲田大・慶應大(早慶)に進学していることに起因していそうです。 ところが、多くの高校は早慶の合格者数は公表していても、進学者数は公表していません。一部の高校は進学者数を公表しているのですが、それでも現役進学者数だけの場合が多いです。一般的には、現役と浪人を合計した数字で高校の学力レベルを見る

        企業の経営スタッフに必要な統計学はどのレベルか?

        • 親世代の愛知県の進学校(30年前)と子世代の首都圏の進学校(現在)の学力レベル比較

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          6本
        • 受験データの統計分析
          44本
        • 新卒採用の面接官の経験談
          5本

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          上智大・東京理科大の現役進学率の重回帰分析もやってみました

          前回、早慶現役進学率の重回帰分析を記事にしました。この分析のデータを集める際に、ついでに上智大と東京理科大(以下、理科大)の進学者数と合格者数も入力していました。そこで今回は、そのデータを用いて、上智大・理科大の現役進学率(上理進学率)の重回帰分析を行ってみます。 0. まとめ全国レベルで見ると、上理進学率は、入試偏差値と公立フラグに負の相関をするが、県庁所在地距離には相関が見られなかった。公立フラグの係数は-0.1670であり、公立高校は私立高校・国立高校より上理進学率が

          上智大・東京理科大の現役進学率の重回帰分析もやってみました

          早慶現役本命率の重回帰分析をやってみました

          以前に、大学入試の早慶現役本命率(早慶本命率)と高校入試の駿台中学生テスト偏差値の回帰分析を行いました。その際は、シンプルに1次回帰を行ったのですが、後日に残差の分析を行ったところ、それなりに残差があることがわかりました。大きく傾向を捉えるのには使える感じではありますが、精度は必ずしも高くなかったようです。 この時の分析に対して、ある方から「早慶本命率は東大の併願傾向によっても影響を受ける」というようなアドバイスをいただきました。そうであれば、複数の説明変数で重回帰分析を行

          早慶現役本命率の重回帰分析をやってみました

          入試本番の模試からの偏差値変動は、学力増減要因で4割、当日の調子で6割が決まる

          駿台中学生テストの合否分布を参考にして、受験の合否分布や入試本番のテスト偏差値の分布などのモデルを作ってきました。基本的には高校受験が対象ですが、駿台中学生テストと同等の模試であれば、中学受験や大学受験でも同じことが言えると思います。 いくらか誤差や不整合はありますが、過去2回の考察結果をまとめると、次のようになります。 A判定(合格80%)偏差値60、B判定(合格60%)偏差値56、受験者倍率3.0倍の学校において、合格最低ライン(ボーダー)は偏差値53 同じ模試偏差

          入試本番の模試からの偏差値変動は、学力増減要因で4割、当日の調子で6割が決まる

          偏差値52の男子が早慶附属高校を最大数受験し、最低1校に合格できる可能性は58%

          趣味の統計分析で、受験データを対象に分析しています。ただ、統計分析というよりも、データ整理とモデル作りが近いです。前回は駿台中学生テストのデータを参考にして、高校受験の合否分布のモデルを作りました。今回はその続きです。 以下では、明示がなければ、模試の偏差値は高校受験の駿台中学生テストの偏差値です。 1. 合否分布の発生メカニズム合否分布のグラフは、模試の同じ偏差値の受験生の合格と不合格の人数の分布です。合格可能性の判定偏差値(A判定80%など)は、この分布からを算定して

          偏差値52の男子が早慶附属高校を最大数受験し、最低1校に合格できる可能性は58%

          駿台中学生テストの確実圏偏差値60の高校は、倍率3倍であれば、最下位合格ラインは偏差値53

          これまでの記事で、駿台中学生テストの偏差値を、高校を比較する指標として扱ってきました。その際には、合格者平均偏差値は確実圏偏差値ー6、可能圏偏差値ー2という計算をしてきています。これはネットに一時期掲載されていた合否追跡データのグラフから概算で出した数字です(今でも転載したブログが残っているようです)。 今回はこのような分布になるモデルを検討し、そこから最下位合格ラインの偏差値を推定してみます。まずは分析のためのデータ準備を行います。 1. 駿台中学生テストの判定偏差値の

          駿台中学生テストの確実圏偏差値60の高校は、倍率3倍であれば、最下位合格ラインは偏差値53

          難関大進学率の推定値の誤差(残差)の分析

          過去に行った推定の誤差(残差)の分析の第2弾です。今回は難関大進学率の回帰推定値を取り扱います。 1. 誤差の発生メカニズム難関大進学率は、東京一工 + 国公立医医 + 地帝5大学 + 早慶の進学率を推定したものです。国公立医医には防衛医大も含めています。進学率は5年平均で現役・浪人合算で計算しています。推定した数値は前回記事の通り、このグラフの値となります。 ただ、国公立は進学数=合格数、早慶は進学数=合格数×本命率で計算しているため、この進学数の計上の際に誤差が生じま

          難関大進学率の推定値の誤差(残差)の分析

          早慶本命率の推定の誤差(残差)についての分析

          noteに投稿していた記事を、X連携機能を試しに使ってXにポストしてみたところ、1ヶ月以上も音沙汰なかったのですが、最近になってリポストしてくれる人が初めて出ました。感謝です。 リポスト先では、統計用語の私の記憶違い(恥ずかしい限りです)や分析内容についてのコメントをもらいました。そのコメントの中に、複数の推定を組み合わせた結論は誤差が拡大しているのではないか、という指摘がありました。確かにその通りです。 これまでの分析は私の納得が得られるレベルの精度があれば十分と考えて

          早慶本命率の推定の誤差(残差)についての分析

          早慶には「附属校プレミアム」が存在するが、MARCHには存在しない

          私が愛読しているイブリースさんの記事で、「偏差値キルヒホッフの法則」という概念が提唱されています。具体的には以下のように定義されています。 なかなか興味深い法則です。この法則が成立するなら、早慶MARCHの大学に入学するには、中学受験や高校受験で附属校に進学するのも、大学受験で勝負するのも同じ難易度ということになります。そこで、今回はこの法則が成立するのかを定量分析してみます。なお、今回もデータの取得時期が一致していませんので、分析結果の数値は厳密なものではなく、概算として

          早慶には「附属校プレミアム」が存在するが、MARCHには存在しない

          中学受験/高校受験/大学受験の模試間の偏差値変換モデル

          ここ数回で、大学受験の早慶本命率や高校の難関大学進学率を分析してきました。これらの分析で、次の考察結果を得ています。 高校入試時点でみた大学入試の早慶のレベル(本命率からの算定) =駿台中学生テストの確実圏偏差値で60.5の高校 高校入試時点でみた大学入試の早慶のレベル(難関大学進学率からの算定) =駿台中学生テストの確実圏偏差値で60.5の高校 中学入試時点でみた大学入試の早慶のレベル(難関大学進学率からの算定) =志望校判定サピックスオープンの80%偏差値で57.5

          中学受験/高校受験/大学受験の模試間の偏差値変換モデル

          主要進学校の難関大学「進学率」の推定

          高校のホームページなどを眺めると、大学の合格実績を公表しているところは多いのですが、進学実績を公表しているところは少ないです。私立大学は1人が複数の合格実績を上げられるため、合格実績>進学実績となります。そのため、高校の学力レベルを計る際に、合格実績で評価すると水ぶくれした学力レベルとなります。 そうした中、子供が高校受験する際に、気になる高校の難関大学への進学率を推定できないかと試行錯誤したことがあります。今回はその時の分析を元に、別の分析に必要な要素を追加して、主要高校

          主要進学校の難関大学「進学率」の推定

          酒量を増やすと、2ヶ月遅れで体重は増える

          アラフィフ世代の私はそれなりに健康に気を付けています。30歳くらいから体重はこまめにチェックしていました。お酒が好きだし、仕事関係の懇親会も多いので、2年半前からアルコール摂取量も計算しています。 夏期休暇で少し時間もあるので、たまには受験以外の統計分析でもしてみようかと思い、体重とアルコール摂取量の分析をしてみました。 1. アルコール摂取の基準量厚生労働省が「節度ある適度な飲酒」を定義しており、1日平均純アルコールで約20g程度となっています。純アルコールなので、アル

          酒量を増やすと、2ヶ月遅れで体重は増える

          大学入試の早慶本命率は高校の入学難易度に対して負の相関をする

          子供の高校受験の際に、主要高校の難関大への進学者数を分析したことがあります。分析対象の難関大は、東大・京大、一橋大・東工大、国公立医学部医学科、地方旧帝大(北海道・東北・名古屋・大阪・九州)、早稲田大・慶應大です。これまでの記事で引用しているイブリースさんの定義で言うところの、Lv3以上の大学群です。 その時に苦労したのが、進学者数の推定です。多くの高校は大学の合格者数を公表していますが、進学者数は公表していません。難関国公立大は合格者と進学者はほぼ一致するのですが、併願受

          大学入試の早慶本命率は高校の入学難易度に対して負の相関をする