小原祥嵩 Yoshitaka Ohara

株式会社このほし 代表取締役 / ハバタク株式会社 共同代表 秋田県を拠点に自然と人が繋がりなおす事業の創造に取り組んでいます。

小原祥嵩 Yoshitaka Ohara

株式会社このほし 代表取締役 / ハバタク株式会社 共同代表 秋田県を拠点に自然と人が繋がりなおす事業の創造に取り組んでいます。

マガジン

  • おはらのおはなし

    • 10本

    このほし言い出しっぺの代表小原が日々の暮らしの中で考えていることをつらつらと書いてまいります。

  • きのこボーイ拓実の新素材開発譚

    • 7本

    秋田県五城目町にて廃菌床を活用した新素材の開発をしている通称きのこボーイ拓実の開発日記

  • ハバタクをめぐる冒険(試運転中)

    • 33本

    学びのクリエイティブ集団 ハバタク株式会社のプロジェクトやメンバーの頭の中を詳らかにしていきます。これからどんな時代や生き方、暮らし方が生まれてくるのか。Playfulな「学び」を生み出し続けるハバタクをめぐる冒険の記録です。

最近の記事

最近考えていること

■地域経済循環 (特にエネルギーの視点)に関すること <国内編> 五城目町に移住して3年が経ちました。移住当初はコロナで仕事も思うようにできなかったので、山や川で遊んでいました。そんな中地域の方々とツリーハウスをつくれたのはとてもよかった。(こちらは未完の美・・ではなくちゃんと完成&進化させたいと思っていますので、助けてください!) そんな豊かな地域の資源をこれからの世代も目一杯味わえる世界にしていきたい。そのために今できることはなんだろうかと考えているさなか、世の中の

    • 秒速29.78kmの新たな旅へ。

      まもなく、2023年の幕が上がる。 広大無辺の宇宙空間を秒速29.78kmで切り裂き続ける我らが地球はまた新たな円を描き始める。 今年一年を振り返ると、地球が刻む周期的なリズムとは裏腹に、我が家にもたらされた新たな生命によって日々の秩序は崩され、大いなる混沌がもたらされた。 それはまるでテンポが目まぐるしく変わり続ける前衛的な音楽に引っ張られドタドタとぎこちなく踊り続けるような日常だった。 そのかき鳴らされる様々な響きに対する戸惑いや困惑もあったけれど、とまれ喜びと笑いに満ち

      • '22南ア記 Day4 ランドリーはいずこ

        南ア滞在、早くも折り返し。 日々インプットが多く、また疲れも溜まってきてnoteに向かう時間が取れなくなってきた・・けれど、とりあえず10分で書けることだけ書き付けておく。 今日も午前中は本体と別行動のため、ややゆっくり出発。 溜まった仕事を片付けてスッキリ。 ランドリーも依頼。午後には出来上がるとのこと。この好天なので洗濯物はぱりっと気持ちよく乾くだろう。 JICA南アオフィスを訪問。企画調査員の方にご挨拶。 Froncoisも合流し、顔つなぎ。 ランチから本体に合流

        • '22南ア記 Day3 つばめよつばめ

          朝5時ごろに目が覚める。日本はすで昼の時間。 鳥の声を聴きながら、各所から飛んできているメッセージを打ち返し打ち返し、また新しい一日がスタート。 午前中は日本の種メーカーの南アフリカオフィスを訪問。広大な土地と研究施設を見学させてもらった。空にはツバメが舞っていた。 またメーカーと共に地域の小規模農家への技術指導やテクノロジーを活用した新たな農業の可能性を模索している起業家も登場。 南アの農業は日本よりもはるかに広大な土地で行われる(ほとんどが白人資本)。人力ではどうして

        マガジン

        • おはらのおはなし
          10本
        • きのこボーイ拓実の新素材開発譚
          7本
        • ハバタクをめぐる冒険(試運転中)
          33本

        記事

          '22南ア記 Day2 赤土と猫のCEO

          夜は蛙の合唱を聴き、朝は鳥の声で目が覚めた南アフリカ滞在2日目。 南ア時間3時過ぎに目が覚め、ベッドでまんじりもせず明るくなっていく窓の外の景色を見ていた。 プレトリア大学に今回のAsia Africa Forum参加者が集合。半年以上オンラインで会話してきたので、直接会えた喜びはひとしお。今日から1週間は南アのアグリ起業家たちのプロジェクトサイトを訪問し、現地のリアルに触れていく。 広大なキャンパスの並木道にはジャカランタが満開。学生たちが行き交う。 日差しはきつく気温も

          '22南ア記 Day2 赤土と猫のCEO

          '22南ア記 Day1 夕日と月とジャカランダ

          10月8日(土)22:30に成田を発ち、途中ドーハを経由し、10月9日(日)南ア時間14:40(日本時間21:40)にヨハネスブルグに到着。 長いイミグレを抜け、マンデラ像にご挨拶。 別便で到着する仲間を待つ間、フィッシュアンドチップスをつまみにビールで乾杯。睡眠不足の体にじんわりしみるアルコール。 空港から今回の滞在地プレトリア大学のFuture Africaまでは約40分の道のり。現地の仲間Faraiに聞くと「だいたい37分で着くよ」と細かい数字を言う。 レンタカーで空

          '22南ア記 Day1 夕日と月とジャカランダ

          四十にして惑う、青白い点を走るパルス。

          宮沢賢治の心象スケッチ「春と修羅」。この序文の一節がここ最近自分の中に揺蕩っている。 初めて手にとったのは中学校の頃。漫画「特攻の拓」の登場人物 天羽くんが「春と修羅」を引用したセリフを用い、かっこいいなあと思って図書館で探したのでした(これぞまさに中二病)。 当時はなんのことかちんぷんかんぷんだったけれど、この歳になって、短いながらも人生経験を積み、自分なりの思考を重ねてきたことで、この序文の意味を掴めるようになってきたように思う。 僕らは宇宙のシミの上で瞬く電気信号だ。

          四十にして惑う、青白い点を走るパルス。

          子をせたろうて山へ登る。

          ようやく太ももの筋肉痛が治り、階段の上り下りもスムーズになってきた。 しばらくぎこちなく歩く日々が続いていたので、そもそも自分がどんな歩き方をしていたのか、一歩目は右足から?それとも左足から?と今まで一度も意識したことすらないことを考えて混乱するなどしています。 というのも、先日山に登ってきました。冒頭にアラフォー男性の肉体疲労という世界で最もどうでもいい話題の一つを切り出したのはそういうわけでした。 登ったのは秋田駒ヶ岳。標高1,637mで秋田県と岩手県の2県にまたがる

          子をせたろうて山へ登る。

          ネンキン、そのすばらしき世界と人間。

          9月に入ってからもしぶとい残暑が幅を利かせていたけれど、彼岸を過ぎたとたん暑さは鳴りを潜め、秋が、いや長い冬がそろそろと町にやってきた。朝夕の散歩道に我が物顔でせり出していた草花たちはしおれ、得意げにつかまり立ちをしている我が家の赤ん坊の鼻は鼻水でかぴかぴだ。 ネンキンが気になる。 このほしではキノコを収穫したあとの菌床ブロック(廃菌床)を使った新たな素材の研究開発を行っています。この菌床ブロックはおが屑に菌糸(僕たちが食べているキノコの根っこのようなもの)を蔓延させてで

          ネンキン、そのすばらしき世界と人間。

          秋の訪れ。つくる喜び。

          ついこないだまでジリジリと肌を焼く日差しにうんざりしていたと思ったら、中秋の大きな満月を見上げながらひんやりとした空気に思わず腕をさすりさすり。雨の多い、短い夏でした。 秋田に暮らしの軸足を移して3度目の秋を迎えています。 ツリーハウスづくりから始まった僕たちこのほしは、地域のバイオマス資源の活用方法を考えたり、生活圏のエネルギー循環を生み出せないかと考えたり、試行錯誤しながらこの場所でできることを少しずつ組み立てています。 このほしは株式会社です。おもろいことをやるのは

          秋の訪れ。つくる喜び。

          39歳の書き付け。

          朝 朝6時過ぎに目を覚まし、トイレに行って、顔を洗い、もずくに散歩に行こうかと声をかける。散歩の言葉に反応して飛び回るもずくにリードを付けて、最近買ったランニングシューズを履いて外に出る。夜露が乾ききる前のアスファルトの上を走り出す。傾斜のついたソールがぐいぐいと身体を前に送り出す。あちこち嗅ぎ回りたいもずくがぐいとリードを引っ張る、引っ張り返す。音もなく静かに伸びをするおばあさんにおはようございますと声をかける。ヘルメットをかぶった中学生が自転車で通り過ぎ、うつむき気味に

          39歳の書き付け。

          木の上に秘密基地を作りたいという気持ちに、老いも若きもないのだ。だからつくるのだ。つくろうよ。

          シュッ、シュッとギロがリズムを刻み、ベースがあのおなじみのラインを奏でる。 "When the night has come, And the land is dark ・・・♪ " 映画『スタンド・バイ・ミー』。好きな映画は?と聴かれれば迷わず一番に挙げる大好きな映画だ。 クリスの優しさに憧れた。不敵なエースは心底嫌なやつだと思ったし、ゴーディーのパイ食い競争の話には涙が出るほど笑わされた。パンツから震える手で取り出したヒルを見たときには、見てるこっちまで卒倒しそうになっ

          木の上に秘密基地を作りたいという気持ちに、老いも若きもないのだ。だからつくるのだ。つくろうよ。

          雑記:抽象との戦い。身勝手な正義感へのいらだち。

          カミュのペストを読んだ。ペストがアルジェリアのオランの町に蔓延する。感染拡大を防ぐために、町は閉ざされる。突如日常に降り掛かった不条理の中で人々はどう生きるのか(あるいは死ぬのか)。 以前読んだ時はペストが流行するという設定が非現実的で、SFかのように読んだが、今読み返すとコロナ禍に置かれた状況とリンクすることが多く、没頭して読み終えた。 読み終えた今なお、物語の中で感じてきたこととこちらの世界との折り合いがうまくつけられないので、思うまま書いてみたくなった。 戦争が 勃

          雑記:抽象との戦い。身勝手な正義感へのいらだち。

          Lifeを取り戻して生きる。スキンディープの奥の奥。

          長年に渡りパキスタンやアフガニスタンで医療や用水路工事に身を投じられた中村哲医師。昨年12月、作業現場に向かう道中、凶弾に倒れられた。 痛ましい事件から3ヶ月が経った。そしてこの、たった3ヶ月の間に、新型ウィルスの感染拡大により世界中に不安と混乱が広がりつつある。 薄皮が剥がれた僕ら。大の大人が真偽も定かでない情報に慌てふためき、互いの思いやりはどこ吹く風で、我先にと買いだめに走る姿にはため息が出る。更には、アジア人の見た目というだけで差別的な言動にさらされる。普段は理性

          Lifeを取り戻して生きる。スキンディープの奥の奥。

          読書メモ:人類最古の哲学

          人類学者 中沢新一氏の講義録。全5冊の第一巻となる本書では、幼稚で子どもじみたファンタジーだとみなされがちの世界の「神話」こそ「人類最古の哲学」であるとする。 現代の我々の「論理」に照らしてみると神話で語られる話は非合理的で荒唐無稽で、原始的な未発達な物語に聴こえる。しかしそこには我々が手放してきた(あるいは価値を見いださなくなった)「感覚の論理」が展開されているという。 感覚の論理とは、見たり、聞いたり、匂いを嗅いだり、味覚で味わったり、皮膚で触ってサラサラやベタベタと

          読書メモ:人類最古の哲学

          読書メモ:仏教の身体感覚

          「身体感覚」というタイトルに惹かれて手に取ったけれど、内容は仏教が如何に発生し、各地に伝搬、発展してきたかという歴史的な整理・考察がメイン。インドに興り、中国、日本へと如何に仏教が変遷してきたかを概観するにはいい。でもこのタイトルはちょっとミスリードかも。 (紹介文より) 仏教は、呪術性と身体性を強めることによって、人々を救済する宗教となった。たとえば、坐禅。あるいは、念仏。こうした呼吸法をともなう身体感覚をつうじて、仏の教えははじめて深々と腑に落ちる。宗教とは信仰の世界の

          読書メモ:仏教の身体感覚