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時を逸脱する
24時間365日
この中に
私は存在しない
私は私の時を持っており
それは集団に於いて
異物化される
端的に言うと遅いのだ
ASD傾向があるからかも知れない
うつ病だからかも知れない
社会に於いて遅いと言うことは
欠点以外の何物でもなく
適応出来ず取り残されていく
例外はひとつ
接客業で
急かさないという一点だけ
元日から連日の情報に
私は私を見失っていた
がさがさになった中指の回復の速さに
ふと私の時を思い出した
発光しない媒体の活字に潜り
ゆっくりと結晶していく
山並みをたたえた石英の様な時を過ごす
久しぶりの解放を味わい
私の育った環境に感謝を捧げる
何故なら
私だけ放置で
それはある視点で虐待になるのだが
私の時が守られていたという視点では
感謝以外にない
百日紅の花弁の舞う速度
台風の目が近付く低空と上空の雲の速度の違い
蟻が角砂糖を崩し運ぶ速度
四季が巡り伸び縮みする一日
和時計を初めて見た時の感動
地上の水になって世界を巡る旅
滞在したい時の中で遊ぶ自由
それらが今取り戻されていること
猫ちゃんとの時も自由だ
ある程度決まっていると言え
幅を持たせてある
猫ちゃんも好きに過ごしている
24時間365日
これらの時から逸脱し
ひとり伸び伸びと遊ぶ
石英の山並み
黄鉄鉱の重い結晶
濃い紫の蛍石の連なる建物
宝箱を開け
活字を泳ぎ
惚けた時を
過ごす贅沢