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流れゆく日々の傍観者、変わらない何かを探そうとする僕ら
友人の幸せに対して、喜びよりも先に焦りや嫉妬を感じるようになることが、「大人になる」ということかもしれない。
転職、独立、結婚。
人生の転機を迎える、新しいステージへ進む、そんな変化の真っ只中にいる友人の“変わらない何か”を探そうとする。
「昔からこういう人好きだったもんな」
「昔からこういうノリで生きてたもんな」
「相変わらず、我が道を行くタイプだな」
それもまた、「大人になる」ということかもしれない。
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僕らは、日々変化にさらされている。
「自分は傍観者でいい」と思っていても、変化の中にどこか変わらない何かがないか、必死に探している。
時代、社会、環境、人間関係、他人。
決して、変わらない何かを自分の中には見出そうとしない。
僕らは、「自分は変わっていくものだ」と信じて止まない。
もちろん変わっていくのだけれど、そう簡単には変わらないことを、自分自身が一番よく分かっているはずだ。
ただ、変わらないことは、思っているほど悪いことではない。
もう何年も生きてきて、数え切れないくらいの刺激を受けてきて、価値観をぐちゃぐちゃにされて、それでもなお変わらない何かがあるなら、それは紛れもない個性。
変わっていく中でも、変わらないもの。
それこそ、自分を何者かにさせているもの、自分が今まで欲しかったものなんじゃないか。
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他人には「変わらないでほしい」と願うくせに、自分自身は「変わりたい」と思うなんて、何だかずるい気がしてしまう。ある意味、人間らしい。
「変わらない何かを探そうとすること」もそうだけれど、他人に向けるものを、自分にも向けてみたらどうだろうか。
案外それだけで、今抱えるモヤモヤは晴れるのかもしれない。
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