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本番になった途端、分からない問題をとばすのが怖くなるやつ

分からない問題に時間を取られてしまった結果他の問題が解けず、思うような点数が取れなかった。

本番ならではの緊張感がそうさせたのかもしれないけれど、一問をとばすことができないのは、心のどこかで「満点」を捨て切れなかったからだと思う。

そもそも、満点を取ることが目標だったっけ。

目標は「目標点数を取ること」だったはずで、その目標点数は、決して満点ではなかったはず。

だから、一問くらいとばしたって平気だし、本番どうしても分からない問題が出題されることなんてよくある話だ。過去問を解いた時だってそうだったはずで。

それなのに、本番になった途端、一問に対しての思い入れがいつにも増して強くなってしまう。とばして次に進むべきか、もう少し粘るべきか、そんな板挟みの中葛藤する。そこで葛藤したことを後悔することになるなんて、その時は分からずに。

なぜだか、ぼく自身はそういう「満点じゃなくて良い」との感覚が元々あったので、「合格最低点が取れれば良いや」くらいの心持ちで本番に臨んでいた。

だから、かつで塾で働いていた時も生徒を本番へ送り出す際には、

「満点を取らなくて良い。目標点数を取ろう。」

と伝えていた。

まさか、その言葉が今になって、自分自身に突き刺さるとは思っていなかったけれど。


いつから、知らぬ間に満点を目指していたのだろう。

だいたい、「満点」の定義って何なのか。

ペーパーテストならまだしも、「満点の人生」なんてあまりに薄っぺらい表現で胡散臭い。

けれど、そんな一見中身のない「満点の人生」に僕らは囚われている。

人生だって、自分が決めた目標や理想を実現できればそれで良いはずなのに。それが結果的に「満点」だと思えれば、それで良いはずなのに。

誰が決めたかも分からない「満点の人生」を勝手に目指して、勝手に思い悩んで、勝手に自己嫌悪する。

進学、就職や転職、人との出会いや別れ、何か上手くいっていても何かは上手くいっていない、何かがうまくいくと別な何かが疎かになる、人生はその繰り返しだから、全てが完璧なんて状態はほとんどない。

そんな常に本番の人生では、どうにもならないことから逃げたり、一旦休んだり、別の道を探したり、時にはそのような選択も大事になる。そうやって、自分の目標や理想に近づけていく。そして、近づいていく。

改めて、自分に伝えたい。

「満点を取らなくて良い。目標点数を取ろう。」

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おがたのよはく
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