好きな仕事とやりたいこと、いずれかしか選べないとしたら
「人は一日の中で、何千・何万回と選択している」なんてよく言われる話だけれど、そういう選択はたいてい選択している実感すらない。
僕らがいつも「選択」と表現するのは、決まって人生に関する選択だ。
キャリアやライフイベントといった進路。
とりわけ、夢を追うか・諦めるかの選択を迫られる。
日常で何気なくしている選択みたいに、流れるように、躊躇いもなく選択できたら良いのだけれど、そういうわけにはいかない。
水回りの頑固な汚れのごとく、頭の中にこびりついて離れようとしない。
今の仕事を続けるか、やりたいことをやるか
今の仕事を続ければやりたいことはできないし、やりたいことを選べば、今の仕事は辞めざるを得ない。
よく見聞きする話。
「今の仕事がもし嫌なら、やりたいことをやればいいじゃん」なんて声をかけるかもしれない。
けれど、もしこんな状況だったら、どうだろうか
今の“好きな仕事”を続けるか、やりたいことをやるか
上記と同様、どちらか一方しか得ることはできない。
「やりたいことやったら良いじゃん」とは、そう簡単に言えない気がする。
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「仕事にしたい」と思えるような趣味や好きなこと、これらがあることは稀だと思っている。
読書が好きでも、読書感想文という「課題」になった途端、何だか気が乗らないのと同じように、イラストを描くのが好き、けれどそれが「仕事」になると想像するとあまりワクワクしないのと同じように、自分の趣味や好きが強いられたり義務のようなものになってしまうと、モヤモヤする。
だからこそ、「これを仕事にしたい」と思える機会は、なかなか無いような気がする。
少なくとも、自分自身はそんな感覚を味わったことがない。
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もし、「好き」が絶対的なものではなく相対的なものだとするなら、あまり仕事が好きではないという状態だからこそ、好きなことを「好き」と思えているのかもしれない。
じゃあ、その「好きではない仕事」がなくなったら。好きなことが仕事になったら。
今度はまた別の何かが「好きではないもの」になり、自分の「好き」を保とうとするのだろうか。
仕事と趣味、これらは絶妙な塩梅で成り立つ相性のいいものだったのかもしれない。
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不思議なもので、人生どこかで何かしら大きめの選択を迫られる。
少し自分語りをするけれど、自分自身にもかつて、
大学を辞めるか、働くか
という選択を迫られたことがあった。
念願だった第一志望の大学に進学でき、遠い親族にも破茶滅茶に喜ばれた。
色んな人たちの顔が思い浮かんだ。
自分が掴み取ったものは、決して自分一人だけの力じゃないことは、若いなりに痛いほど分かっていた。
そして、目の前に転がってきた「ビジネスを0から創る」という機会。
やったことなんてないし、それがやりたいことかどうかさえ分からない。
けれど、だからこそ「やってみたい」と五感が自らの心に訴えかけていた。
大学にはまた行けるかもしれない。けれど、今目の前にあるチャンスはもう二度と自分の前に現れないかもしれない。
答えは決まっていたけれど、中々決断できなかった。
色んな人たちの顔が思い浮かんだから。
「なにか選べばなにかを犠牲にしないと、無理」にめちゃくちゃ苦しんでます🥲(しかも今月末までにという期限付き…!)
好きな仕事を続けたら、やりたいことができない、やりたいことをするには、好きな仕事をやめなければいけない…となり
どれだけ分析して、考えても、どちらも捨てられず、選べず、の沼から抜け出せません。
それらに対して、おがたさんだったらどう思いますか…?
僕からは、どちらが良い、どちらが正しいなんて、とてもじゃないけど言えない。というか、分からない。
「悩んでいる時ほど、答えは決まっている」と言いたいところだけれど、グッと堪える。
けれど、はっきりと一つ言えるのは、この選択をすること自体に大きな意味があるということ。
「好きな仕事か、やりたいことか」
この選択を経たうえで、好きな仕事をするのも、やりたいことをやるのも、いずれも今までとは重みが全く異なる。
どちらを選んでもきっと後悔するし、同時に、前にも進める。
どちらを選んだとしても、数年経って振り返った時に、「あの時、どうしてあんなに迷ってたんだろう」、きっとそう思うことも分かっている。どちらを選んでも後悔しないことは過去が証明している。
だからこそ、今ものすごく迷うのだ。
そんな究極の決断だからこそ、選択すること自体に意味がある。
遅かれ早かれ、決断しないといけなかったのかもしれない。
こんな抽象的な内容しか書けないのがもどかしいけれど、自分にもっと言語化力があればと思わずにはいられないけれど、いつだって選択すること自体が尊い。
もし、迷った末に決断できたら。
仕事も、やりたいことも、生き方も、変わっていく。
だから、唯一変わることのない“今この瞬間の自分”だけを信じてみたい。
本当に自分が欲しいもの、って何なのだろう。
久しぶりのこの企画でした。
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