アイデアのちから(チップ・ハース/ダン・ハース著)を読んでみた
今年は「帰属から独立へ」がテーマの年になると思い、自分の裁量で物事を進めるために参考になりそうな書籍を読んでいます。
本書は、人々の記憶に残り、行動を促す効果的なアイデアの構築方法を解説した一冊です。
本書では、アイデアが広まり、人々の心に深く刻まれるための6つの原則を提示しています。
これらの原則は、ビジネスや教育、日常生活におけるコミュニケーションの質を高めるための指針となります。
本書の概要
本書は、効果的なアイデアが持つ6つの共通点を「SUCCESs」の頭文字でまとめています。
これらの原則を理解し、活用することで、情報を受け手の記憶に深く刻み、行動を促すことが可能になります。
単純明快である(Simple)
アイデアの核心を見極め、不要な情報を削ぎ落とし、誰にでも理解できる形にすることが重要です。
例えば、ジョン・F・ケネディ大統領の「人類を月へ」という演説は、明確でシンプルな目標設定により、多くの人々の心を動かしました。意外性がある(Unexpected)
予想外の情報や展開で受け手の注意を引きつけ、興味を持続させることが効果的です。
意外性は、受け手の関心を引き、記憶に残りやすくします。具体的である(Concrete)
抽象的な概念ではなく、具体的な事例やイメージを用いることで、受け手の理解と記憶を助けます。
例えば、ソニー創業者の井深大氏の「ポケットに入るラジオ」というコンセプトは、具体的なイメージを提供し、製品開発の指針となりました。信頼性がある(Credible)
情報の信頼性を高めるためには、権威ある情報源や具体的なデータを活用することが効果的です。
信頼性のある情報は、受け手の納得感を高め、行動を促します。感情に訴える(Emotional)
受け手の感情に働きかけることで、情報への共感や関心を高めます。
感情的なつながりは、情報を記憶に残りやすくし、行動の動機付けとなります。物語性がある(Story)
ストーリーテリングを活用することで、受け手の想像力を刺激し、情報をより深く理解させ、記憶に残します。
物語は、情報を伝える効果的な手段として広く活用されています。
本書の活用法
本書で紹介されている6つの原則は、日常生活やビジネスシーンでのコミュニケーションを効果的にするための指針となります。
以下に具体的な活用例を挙げます。
プレゼンテーションの改善
ビジネスの場でのプレゼンテーションにおいて、情報を単純明快にまとめ、意外性のあるデータや事例を盛り込み、具体的なビジュアルを使用することで、聴衆の関心を引きつけ、メッセージを効果的に伝えることができます。教育現場での指導
教育者が授業を行う際、抽象的な概念を具体的な例や物語を用いて説明することで、学生の理解と記憶を促進できます。
また、感情に訴えるエピソードを取り入れることで、学習意欲を高めることができます。マーケティング戦略の構築
商品やサービスのプロモーションにおいて、消費者の感情に訴えるストーリーを作成し、信頼性のある情報を提供することで、ブランドの認知度と信頼性を向上させることができます。
わたしの感想
本書は、効果的なコミュニケーションのための実践的なガイドラインを提供しており、なるほど、そういう視点が大事なのか、と感じさせる一冊でした。
特に、6つの原則を具体的な事例とともに解説している点が理解を深める助けとなりました。
これらの原則は、ビジネスだけでなく日常生活のあらゆる場面で応用可能であり、コミュニケーションの質を向上させるための貴重な指針となると感じました。
情報化社会といわれるようになって久しいですが、日々、わたしたちが接する情報の量は、わたしが生まれた昭和の高度成長期と比べると雲泥の差です。
わたし自身、情報に接するときは、普段から鍛えている速読力を駆使して、その情報から得られる印象を先ずすばやく確認するようにしています。
おそらくあなたも同じように、目にした情報の印象をまず掴まれているのではないでしょうか。
そのときに、同じような情報がふたつ並んでいたら、本書が示す原則にならった印象的なほうを読んでみよう、と思うはずです。
本書を通じて、情報を伝える際には受け手の視点に立ち、どのようにすれば記憶に残り、行動を促すことができるのかを常に考えることの重要性を再認識しました。
自分自身が情報の発信者となる場合も、本書が示す原則を取り入れることは重要だと思います。
特に、noteのように情報に対する目利きがするどいかたが多いところではなおさらではないでしょうか。
読み手に響く文章を書くのは難しいですが、本書のこの6つの原則、まずは自分が取り組みやすいものから取り入れてみよう、と思いました。
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世に成功者と呼ばれる人たちが実践している思考法(マインドセット)を解説し、実体験も交えて深掘りしてみようと思います。 週に一度を目処に、…
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