⑧自然治癒法ー少食
3.少食 、すなわち毎日がプチ断食
今の時代、食事はエンターテインメント化している。することがないと何かを口にする。自分の気持ちを慰めるために何かを口にする。食べすぎで体を壊しているといっていい。
2016年のノーベル賞生理学/医学賞の大隅良典博士の『オートファジー(Autophagy 細胞の自食作用)の仕組みの解明』により少食や断食の効果が科学的に証明された。
オートファジーとは、体内にある古い細胞や老廃物などを分解してアミノ酸にし、再利用する仕組みだ。 体を飢餓状態に置くことによって、オートファジーのスィッチがオンになるという。
話は飛ぶけれど、この世界には、少食や”食べない人たち”が6万〜10万人くらい存在することに、以前から興味を持っていた。
このノーベル賞は、少食や不食の人たちのことを説明しているわけではない。 でも人体の”自己再生能力”、リサイクルの仕組みについて、”食べないこと”と関連づけて説明してくれる。
少食、不食を実践する方たちについての本を読んだ頃から、わたしもそういう風に生きてみたいという願望がだんだんと生まれてきたように感じる。
当時、和食の調理師として働いていたにもかかわらず、飲食業のあり方や一般的な食に対する考え方に疑問を持ち始めていたからだ。食事をすることで体を壊す人たちがいかに多いことか。
今回の手術をきっかけに、改めて少食や不食をテーマにした本を読み始めた。
中でも特に、森美智子著『食べない生き方』に心を動かされた。今、私が一番興味があるのはこの方だ!
著者の森さんは、青野菜のジュース一杯で一日を過ごしている。 そう、この方は、ほとんど”食べない”で生きている、でもご本人の写真をみると体型はぽっちゃり。 彼女の胃の中には、牛の胃袋にいるのと同じセルロース(食物繊維)を分解する微生物がいるらしい。 本人曰く、『これ以上(青汁の他に)食べると太ってしまう!』
オートファジーを活性化するために、わたしは少食を始めた。
体重を減らしたくないので、完全な断食はやらないで、毎日の食事を午前11時〜午後3時くらいの間にゆっくりとって、毎日20時間のプチ断食をすることにした。
少食を始めて、一ヶ月たった。
最初の一週間は空腹感を強く感じたが、その後は空腹にも慣れてきた。
正直言って、オートファジーが活性化したかどうかはわからない。でも朝のウォーキングとヨガの練習もやっているので、体調はとても良い。
何よりも、一日何回も食べなくてすむというのが、シンプルでいい。 余った時間は、他の好きなことに使えるし。
一度こういう生活に慣れてしまうと、もう戻れなくなるかもしれない。小腹がすいたら、人参でもかじっていればいい。
食事については、テーマとしてはとても深いので、まだまだ続きます。
(つづく)