2023年読書評16 フロスト日和
「フロスト日和」
ちなみに以下、すごくなが~いです。
RDウイングフィールド
シリーズ2作目。
私はこれで6作全て読んだことになりますが、本作は2作目で、フロストの外観の描写があります。40代で髪が薄いとか。
後の作品でモーガン=部下で坊やと呼ばれている=が40代とありましたから、後の作品は徐々に登場人物が年を取るという設定なのでしょう。
ということは後のフロストは50代くらいか。
このようなシリーズキャラクター、時代と共に年を取るかどうかは、作者の悩む点でしょうが
ちなみに赤川次郎は三毛猫ホームズでは年をとらないようにしていますが、他のあるシリーズでは女性が10代から4,50までになっているものもあります。
シャーロックホームズもポアロも年をとっています。
もし作者が生きていたら、本書は1987年(なんとまあ私が学生の頃)にフロストは40代なので、2023年で35くらい年を取っていることになります。
フロストは現在75くらいか。昇進したのだろうか。署長になっていたら面白いかもなどと想像してしまいます。
小説の方は他の作者が引き継いでいて、フロストの昔の話という態で書き継いでいるようですが。
ところで
この小説、1970年代に書かれ、シリーズは80年代90年代を舞台にしているということもあるのでしょうが、喫煙率が高いです。やたらと登場人物が煙草を吸う。
現代の日本と比べるとかなり違います。英国の現代はどうか分りませんが、私が思ったところ、英国人がよくガンでなくなる印象があります。
ビートルズのポールの奥さん、リンゴの元の奥さん、ジョージ。
あるいは彼らは煙草の影響を受けていないか?
エドガーケイシーによるとコーヒーというのは、カフェインが腸に残るのでそれを排泄できれば1つの嗜好品だ、ということです。良くも悪くもない、飲みたいなら飲めばいいということなのでしょう。
しかし私はコーヒーを飲みますが、あまり胃に良いものではないという気もするのです。胃といえば膵臓はそれに関係していると思うので、膵臓にも良くないかなと。現代人に膵臓の病気が多いのはこのためかも知れないと。
・・・そういう意味ではもし膵臓を守りたいなら、胃を守ること、あまりコーヒーばかり飲まないことがいいのではと。
そして煙草ですが、80年代までは日本でもバカみたいに煙草を吸っていましたが、間違いなく健康によくないと、現代の人々は電子煙草に移行しています。
そしてフロストものを読むと、すごく人々が煙草を吸っています。フロストの奥さんもガンで亡くなっています。フロストの煙草の影響かも知れない~小説の中のことだが、~と思わざるを得ません。
作者は気づいていないようですが。
(今回初めて、煙草を止めようと思っているという部下がいて、フロストも「俺もそう思ったことがあるが止められないんだ」というシーンがある)
煙草に関してはケイシーは
やはり1つの嗜好品だ、がっつくから病気になるのだ、と言っています。
つまり、ほどほどなら害はない、度を越えるからいけないということですが、
私は、人というのは酒にしろ何にしろ、なかなか自分自身を諭せないものだから、煙草自体止める方向に行った方がいいと思うのです。
そういう意味では現代は正しい方向に向かっていると思います。
そしてついでですが、原子力に関しても、多くの人が無頓着で、「必要だ」「再稼働しろ」と言っていますが、多大に危険なものなのです。
煙草の間接煙の悪影響に気づかずに病気を引き起こすように、原子力というのは気づかないところで悪影響を及ぼすものです。
現代人が昔の人たちの煙草の悪影響を知っているように、未来人は現代の原子力の恐ろしさを知っており、原子力を肯定する現代人を愚かだと思っているのです。
コーヒーは控えるように、煙草は止めるように、原子力も廃止にするように、
というのが私の意見です。
右翼とか左翼とかではなく、人々の健康を考えてのことです。
さて、物語は例によってデントンという町で起こる事件が平行して描かれます。
今回の相棒はウエブスター。20代なのに警部に昇進したけれど上官を殴って巡査に格下げ。左遷でデントン署に赴任、フロストと組むことになったがフロストを汚いじいさんだと心で思っている。
ひき逃げ事件、少女行方不明、巡査殺害などの事件を追うというものです。
ラストシーンを読んで思ったのですが、
結局このフロスト警部シリーズ。この分厚い本を通して何を描きたいのか? それは推理ドラマでも、ミステリでも、人間ドラマでもなく、フロストという人を通して「何が正しいか」を描いているのではないか。
自分の手柄ばかりを気にしている署長。体面ばかり気にして、権力者に弱い。
一方、だらしない風体でエロジョークばかり言っているフロスト。しかし彼は仕事に熱心で、実は情もある。手柄は二の次。必ずしも鋭い人ではないが有能。
遅刻はするし、書類作りは苦手。小さい不正をする。
現代の世の中、日本にも大勢います。マレット署長のような人たちが。遅刻をぜったいに赦さない。権力者に弱い。弱者を見下す。本当の正義を分かっていない。罪は罪と小さいことでも糾弾する。
しかし本当の正義は何だろう。
「ハート」ではないか?
そんなことを分厚い本のシリーズを通して語っているのではないか、著者は。
そして
ずっとフロストを見下していたウエブスターも彼を見直します。小説ではたった一言でそれを現しています。
また笑いどころも多々あります。
すごいことになっている死体を水の中から持ち上げたフロストはその手をレインコートで拭いたり。何気ない仕草で、苦笑いせざるを得ません。
本書は
章区切りされており、21章。700ページ。
火曜日の夜から土曜日の昼までの話。
ゆっくり読んで一か月くらいかかるというところでしょうか。
ココナラ
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