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#JJインド神話 7〜桃源郷に、刺客

2回目のアーユルヴェーダトリートメントを終えた午後、私は全荷物ごと理想都市コミューンに引っ越してきた。

旅してると毎度おもうけど、全資産ごと移動できるってなんて身軽なんだろう。朝の10分で詰め込んで足りるモノたち。人生がこうであってもいいのに!
じゃあいったい、留守中の今も家賃払い溜め込んで片付かないあの部屋はなんなんだろう

オープンエアなヴィラの簡素なつくりが最高!

電波もWi-fiもままならない施設は久しぶり。どこかでほっとする。

安宿も高級ホテルも両極なじむのはJJ自分でも知ってる。けどドライな赤土を抜け緑あふれるこのゲストハウスへ辿り着いた時、これぞ私の場所!感覚が先にわかり直後思考で思い出した。隣町の雷のごとく、光と音わずかな時差で全身打たれたの!

そこには”JJ ”としての私を育てた記憶のメルボルンが在った。
ハウスメイトのオンボロワゴンで一時間で行くような夏のあのブッシュそっくりな

別棟の食堂の掲示板には”売ります買います”手書きチラシ、エキゾチックな氣功やヨガの案内、マッサージやヴィーガンレストランのカードたち!ああ鼻血出そ。鉄の味がする。

ユーカリの匂いとマグパイの鳴き声が、この鼻に耳に届かないことのほうが不思議になってきた。

どきどきしながらビジターセンター近くのカフェへ。ハイビスカスとレモンのオーガニックジェラートひと舐め。それは全細胞に行き渡り歓迎される!

っはぁぁーーーー これだーーー 

セレブ寄りでも、ストリート寄りでもない。ジャストセンター!! 

しかし完全にひとり、このグッドバイブスを共感できないのはもったえないなぁとKJとの電話を終え後ろを振り返ったら

「君ひとり?僕のことがいやじゃなかったら、すこし一緒に話さない?」

旅中ずっと懐っこいインド人に声かけられたり、セルフィー撮ろうよ!ていうのは慣れてる。そんな中、なんかやだって人と、うん出会ってくれてありがとう!という人と、自分の中で漠然かつ確実な白黒はあって、じゃあその差はなんだろうって、まさに今の電話で論じてた矢先!

それでいうところのあきらかに後者。出現。

落ちそうにクリクリの目、並みじゃない小顔、リアルに13頭身あるスタイルが人間ばなれし異様な雰囲気の青年。その繊細さに相反し、意思がつよそうなことはわかる。

旅が日常になるに連れ、リラックス度と野生の勘は増す一方。母国語以上にシンプルな英語で進行中の出会いは、敵か味方か、考察の連続。
剣道の居合のような、秒で察する訓練を重ねている。

「なんで君に声かけたかといえば、僕みたいにひとりで座ってたからさ」

たしかに、インド人てたいがい群れている!家族か、男グループ or ガールズグループ。

モデル兼フォトグラファーだという彼のアタリいい自己紹介は、JJにぜんぜん響かなかったが ”ケララで整形した時出会ったアーユルヴェーダの師から特殊なセラピーを習い副業でやってる”という話には、がぜん食いついてしまった。

 『よかったら僕のセラピー受けてみない?そして君は僕にヨガをおしえる、このエクスチェンジはどう?? 』

いい!! このconfest 的なながれ!特技のプレゼント交換、日本で飢えてたやつ!やっぱり望んでた!

「じゃ、静かなところへいこう、ここではざわざわしててエネルギーがうまく出せないから。 バイクで3分だよ!後ろ乗って!」

一抹の不安がなかったわけでもない 。

「晩ごはんたべた?ボクはファスティング中(断食)だから付き合えないけど」

なるほど、次の新月まではラマダン、彼は熱心なムスリムだ。
ラマダン中にそんな悪い事にはならないだろう。

と、いう安心材料は駐車場への道すがらアタマでひねり出したあとづけであって。

ほんとは、ハートは決まってた、ワクワクする方へ行く!!
って

しっかりボクにつかまって!

旅とはすなわち GONOかの二択 on 自己責任

本来人生はその連続。なのになぜ旅でのみハッキリ意識できるのだろう。

ふかすエンジン後輪から折り返して。まきあがる赤土。
私たちは陽の落ちるブッシュへと走り出した。


つづく



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