男が結婚相手の名字をもらうということ
インターネットから失礼します。
北沢よがです。
結婚生活がはじまり、「俺は既婚者なんだぞ」と言わんばかりにマスクの下でキショめの笑みを浮かべながら会社に通勤し、浮かれ気分で毎日を過ごしています。
新婚ホヤホヤだからね、許してほしい。
そもそも結婚前から同棲生活をしていたので、その身に起こる変化にはあまり差分を感じることは無いのですが、やっぱり自分を名乗る名字が変わったことが大きな変化だと言えるでしょう。
そうです、ここで本名をバラしてしまうと僕も「皐月」という名前なのです。
なぜ、男性である僕が相手の名字をもらうことを選んだのか、そのエピソードを僕の結婚願望の話から紐解いていきたいと思います。
ことの発端と、結婚願望は保育園時代から。
スゲエな、保育園からかよ。
そうです、僕は保育園から結婚願望がありました。
僕は男性としては比較的高い結婚願望がある人間だと思っています。
「高い結婚願望がある」って正しい日本語なのかは分かりませんが、語彙がへんてこりんになってしまうくらい、めっちゃあるよと思っていただければ大丈夫です。
そもそも僕は保育園に通園していた時代から恋をしていた子供で、当時の幼馴染であった川口ひとみちゃん(仮名)に恋をしていたのです。
つまりひとみちゃんは初恋の相手だったわけですね。
ひとみちゃんとは幼馴染なので、当然親同士でも交流が深く、何度か家に遊びに行ったり、家に招いたりすることが多かったです。
そんな時、ひとみちゃんのお母さんに耳打ちで
「あのね、ぼくね、ひとみちゃんとけっこんしたらね、かわぐちになる!」
と言っていたらしいです。(当然記憶にないよ)
つまり僕は、結婚したら相手の名字が欲しいと思っている、なんともユニークな4、5歳児の男の子だったのです。
当時の価値観では、結婚したら女性が名字をもらうというのがまだ一般的でした。
今でこそよく言われている「選択的夫婦別姓」という言葉は影も形もなかった時代だったかもしれません。
そんな中で「川口(仮名)」という日本ではそこそこポピュラーな名字になりたいと言っていたあの頃の僕は、この名字がいい!という相手の名字に対する価値、文字通り「ネームバリュー」を度外視して、ただ「好きだから」というシンプルな理由だけが決め手だったのだと思います。
考えてみれば、価値とかそういうのは全くわからない時の発言だし、そもそも子供の言ったことですから。
でも結果的には、そのスタンスは今回の結婚に至るまで変わらない動機になりました。
ちなみにここで補足しておくと、僕はカナダ人と日本人の間に生まれた子供で、名字(この場合旧姓)も日本ではかなり珍しいです。
旧姓は今でも気に入っているし、心に一生あり続ける名前だと思っています。おまけに顔もかっこいいです。すごく。
父ちゃん母ちゃんありがとう!
男が相手の名字をもらう割合は全体のたった4%だけ
4%て、まじでもっと居るかと思ってました。
缶チューハイのアルコールの度数じゃねえんだぞ。
ボディビルダーの体脂肪率じゃねえんだぞ。
iPhoneが踏ん張り始める電池残量じゃねえんだぞ。
参考記事
男が名字を変えてみたら…選択的夫婦別姓に「4%の男性」が漏らすホンネ
その事実を知った僕はマイノリティーな人間になるわけですが、マイノリティーである事こそが自分たらしめるという、なんともアウチな人間なので、なんかすごく嬉しかったです。
男性が相手の名字をもらう理由は様々です。
家柄のことだったりとかがほどんとかと思いますが、中には名字自体が珍しいからという理由の方もいました。
相手の名字が珍しいからその名字になりたいって、僕にとってはこれも立派な動機だと思います。
さっきも言った「ネームバリュー」ってやつに近いことなのかもしれません。
考えてみれば「皐月」という名字もなかなか珍しい。
全国に200人くらいしかいないらしいです。(妻調べ)
それが僕にとっての動機になっていたとしても、全くおかしくはなかったと思います。
しかし、僕の動機は子供の時から変わらず、好きな人の名字がほしいというシンプルな動機でした。
男だからとか、女だからとかは切り離して考える事も必要
始まりに「僕はなぜ、男性である僕が相手の名字をもらうことを選んだのか」と書きました。
それはあくまでも、今の日本が選択的夫婦別姓を選べず、ほとんどの女性が名字を変えている上でのお話だったからです。
僕が女性でも男性でも、同性愛者でもこの考えは多分同じだったのだと思います。
そもそも今の日本では、なぜか同性愛者同士では結婚できないという終わってる国なので、同性カップル同士で名字がどうこうという話は難しいかもしれないですが、名字を貰うという想いを馳せることぐらいはしていたと思います。
話を戻すと、僕にとって結婚して名字を変える、ないし貰うということは、ただ一つの願いでしかなく、それ以上でもそれ以下でもないのです。
幸い妻は、出来ることならこれまで通りの名前でいたいという願いがあったから、うまく噛み合ったので、この結果になりました。
決して妻から私の苗字になって欲しいとか義母と義父から名字を変えてくれとも言われていません。
自分の意思で決めたので妻と熟慮せず、件のお話は
僕「お菓子一個ちょうだい」
妻「いいよ」
くらいのラフさで決まっているのです、多分(違ってたらごめんね)
女性だから結婚したら必ず名字を変える、男性だから名字は絶対変えないは間違った認識、10:0では無いのです。
お互いにとってベストな答えを導き出して、その結果でお互いに幸せになれるのならば、もっとお互いを好きになれると思います。
名字を変えることは元の名字を捨てることではない
話は変わりますが、僕は過去に又聞きした話なので真偽はわからないのですが、会社の上司が
「あいつは元の名字を捨てるらしい。俺は昭和の人間だから考えが古いかもしれないけど、俺はやっぱ自分の名字捨てらんねえな〜」
と言っていたそうです。
この発言を聞いた時は特に何も思わなかったのですが、時間差で沸々と怒りが湧いてきて、やがて怒りは沸点まで達しました。
別に名字が変わったところで旧姓だった事実は変わらないし、家族と縁が切れるわけではない。
たとえ家族と縁が切れた人がいたとしても、それは全く別の問題で何も関係ないことです。
それを「捨てる」と表現した上司はちょっと可哀想な人間なんですよ。
おまけに「昭和の人間だから」という免罪符を持ち出すあたりタチが悪いですね。
こう言う人は愚かな人間ですが、可哀想なおじさんなので、もし言われても許してあげてください。
名字が変わると面倒臭いことが多い
名字が変わると以下のことをしなくてはいけません
免許証の名義変更
マイナンバーカードの名義変更
パスポートの再発行
銀行口座の名義変更
クレジットカードの名義変更
印鑑登録の名義変更
保険証の名義変更
携帯電話の契約情報の変更
生命保険とか自動車保険の名義変更
会社へ報告
いろんな会員サービスの名義変更
これはしんどい。
幸いにも僕はIT系の職場のため、休みを取るハードルは低いので、有給をとってやっている最中です。
これが例えば社長とかだった時は割り増しで大変になるかもしれません。
僕は当然社長経験など全くないので、体験談ではないのですが、社長をしている方で名字を変えられた男性がいるそうです。
でもよく考えてみれば、世の中には女性の社長もたくさんいるので、もし女性で社長で結婚して名字変える人がいたら、めちゃめちゃハードすぎるな。
マジでリスペクト。(結婚してから起業する方が楽かも)
思えば結婚した人たちの半分がこれをやってるってすごいな。
超リスペクトしたい。なんなら僕もされたい。して。
うまくまとめられなかったけど、まとめると
つまりこうです
僕は結婚して名字を貰うことが小さい頃からの憧れだった
お互いにとってベストな選択をするとこが大事
名字を変えることは名字を捨てることではない
名字を変えるのはメッチャ面倒臭い
ってことです。おわかり?
終わりに
今回はボリューム少なめでお送りしました。
名字を変えることで生じるメリットやデメリット、周りの反応とか手続きの面倒なところも全て「結婚」というサイコーな人生イベントのおかげでチャラにできてしまいます。
俗に言う「幸せな悲鳴」とか「嬉しい悲鳴」ってやつかもしれませんね。
全ての手続きが終われば新しい生活が待っているのだろうと、胸躍らせながら、マスクの下でニチャァと微笑み今日も通勤します。
それでは、またお目にかかります。