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AOTY アルバムオブザイヤー 〜2023年年間ベストアルバム決めましょかいスッペシャル〜

ベストアルバムを決める大会、AOTYことアルバムオブザイヤー。年末になると音楽好きの人がキャッキャとはしゃぎ回って開催されておりますが、僕もやったりやらなかったり、どうでもいいやんと思ったり、毎年気持ちがコロコロ変わりますが、今年は毎月新譜チェックをnoteにてやってきたのでやっておこうかな〜ということでポヤポヤと集計していたらベストアルバムが50枚になりました。意味がわかりませんね。そもそもベストアルバムなら1つ選べよって話なのに。

まあ、良かったものをただ列挙して紹介していくのもなんなので個人的なランキングを20位くらいまで決めて、お気持ちを添えつつ、それ以降は同じだけど「すべて最高」という位置付けでやっていこうかなってなもんです。ただこのランキングは社会的な評価ではなくて、一個人が「お世話になったランキング」でしかないです。




1.Shallou 『In Touch』


Shallouはん、アンタがおらんかったらわしゃ2023年の年を越せんかったかもしらんよ。生命を感じるアンビエントテクノ。魂はこのアルバムと共にあります。悲しみ、憎しみ、怒り、憤り、負の感情と呼ばれるものがあって、その負の感情は負の感情のままでもいいし、前に進みたければ進みたい時に光に変えたらいい。そんな時の力になるのがこのアルバムです。とにかく信じて踊れ。ありがとな2023。



2.PinkPantheress 『Heaven Knows』


2023年の音、全部ここに乗せちゃいましたみたいな。これ結局みんな好きじゃん?みたいな。卵とじしちゃったら結局全部美味いじゃんみたいな。NewJeansも結局のところPinkPantheressが作ったシーンありきみたいなところはある。まあ、NewJeansにはもちろん別の魅力があるわけだけど。だからさ、とりあえず2023年は『Heaven Knows』聴いておけばいいじゃん。そう思わんかね?



3.思い出野郎Aチーム 『Parade』


今年はこのアルバムに何度泣かされたか。思い出野郎Aチーム。いつも独りの夜に心強くそばにいてくれてありがとう。ガタイがよくて心優しいアニキみたいな頼もしいやつ。これからもずっとそばにいてくれよな。喜びの人生のParadeを続けよう。それは僕らが踊らないと始まらないのだから。



4.Rachael & Vilray『I Love A Love Song!』


まるで自分が白黒の1950年代のアメリカ映画の中にタイムスリップした?と錯覚してしまうほどの質感の2023年のジャズボーカルデュオアルバム。優しく温かい。2019年にリリースされたセルフタイトルの『Rachael & Vilray』をレコードで持ってるけど、これを部屋でレコードで流していたら間違いない大正解という気持ちがある。一番安い評価をあえてするならばおうちでディズニーランドみたいな気持ちになれるよ!


5.Lil Summer 『Rojo』


このレコードさえ持っておけば全部大丈夫。そんな気持ちにさせてくれるLil Summer の『Rojo』。Erykah BaduやJ Dillaから影響を受けたメロウなサウンドと歌声は、眠れない夜にも踊りたい夜にも寄り添ってくれるとってもありがたかったアルバム。2023年の心の平穏を保ってくれるお守りでした。



6.Sam Greenfield 『SAM GREENFIELD RULES』


2023年、踊って終わらせたい人、2024年も踊って始めたい人。みんなここに集まりなさい。陽気お兄さんのバイブスに心まで揺らしてみなさい。セロトニンもドーパミンもブッシャブシャです。最高の人生が幕を開けていくよ。



7.Balming Tiger 『January Never Dies』


2023年、忘れられない一番最高だったライブはフジロックのレッドマーキーでのBalming Tiger。そして今年一番力をもらった曲がBalming Tigerの"Trust Yourself"。そういうことだ。強く生きたい人はみんなBalming Tiger。"Trust yourself ,Never regret Never forget"と叫んで生きればいい。明日から、いや今日からだって強くなれる。



8.星野源 『LIGHTHOUSE』


これはEPだけど、まあアルバムに今後収録されることもないしアルバムでいいでしょう。結局のところ何度も星野源に救われ続ける人生だ。Netflixの番組『LIGHTHOUSE』のために制作されたEP。2023年もしかたなく踊りながら僕の君の、彼の彼女の人生をやってきた。それは2024年だって変わらない。僕らは中指を立て、このクソの中で笑いましょう。いつでも孤独のそばにありますように。



9.Jack Harlow 『Jackman.』


Jackマッチョやね。数々のサンプリングのトラックに乗るJack Harlowのラップが超心地いい。今年一番聴いたラップアルバムだよ。リリックに重きを置いた今作のスタイルは、現代の問題や社会に対するメッセージを強くラップにする。そしてそれは同時に解決に至らない葛藤の最中であり、その滲み出る声に今作の魅力が詰まっている。



10.Homecomings 『New Neighbors』


優しくなるための魔法を一旦ここに置いて、強く生きるために戦う人に寄り添う力があるHomecomingsの『New Neighbors』。前作では人と人との寄り添いを感じたが、今作では誰かの優しさのために立ち上がるHomecomingsというバンドの本当の強さと連帯を感じる。誰かの夜をそっと照らしてくれているベッドサイドランプのような温もり。私ではなく、私たちと呼んでくれるその力強さを信じていたい。



11.Yo-Sea 『Sea of Love』


あんたは海が本当に好きやね。聴いた瞬間に蕩けてしまった。STUTSが参加した"Flower"を初めて聴いた瞬間に、一番最初に年間ベストアルバムに確実に入っちゃうなと感じたのがこのアルバムだった。2023年、孤独な夜をたくさん踊らせてくれてありがとう。Yo-Sea、早くその岩場から帰っておいで。



12.NF 『Hope』


また似たようなジャケットの連続。こっちは全然海好きそうじゃないね。遭難した海から求める『Hope』。こんな時代に心に生まれ続ける怒り、悲しみで握った拳を開いて希望に変えて、強烈なビートで力ある限り吐き出しては拳を掲げるNFのラップスタイルが好きだ。強くなりたい時に爆音で一緒に拳掲げたらいい。ユニティ!強く生きるぞ!



13.The Chemical Brothers 『For That Beautiful Feeling』


絶対王者ケミカル兄さんたち。いつまでも変わらないし、その「変わらなさ」というのはずっと同じであるということではなく、常に最高を更新し続けるというところにある。『For That Beautiful Feeling』、人々の美しい感性のために爆音で終わりなきビートが鼓動のように鳴り続ける。

来日公演のチケット、土曜日のアリーナが余ってましたら1枚譲ってください。お願いします。切実。



14.Sampha 『Lahai』


もしも街中でSamphaが流れていても、「え、今何か音楽流れていましたか?」そう思ってしまうくらい血液のようにSamphaの音楽が自分の心に溶け込んでシンクロしている。少しぬるい温度のお風呂に入った時に冷たくもなく温かくもなく「無」のように感じる瞬間がある。それと似ている。え、褒めてんのかなこれ。めっちゃ褒めてますがな。


15.生活の設計 『季節のつかまえ方』


ドシャドシャと泣いてしまう。どうして青春時代はこんなに早く過ぎてしまうのだろう。過ぎ去る夏のように本当はずっとそこにあったはずなのに通り過ぎた後に思い出してしまう時の後悔と、胸をくすぐる寂しさの残り香を感じてしまう。でもそんな日常の温かさは今も同じだけあることを思い出せるアルバム。 『季節のつかまえ方』タイトルもすごく好きだ。僕らは季節をつかまえながら生きられるだろうか。



16.Galileo Galilei 『Bee and The Whales』


おかえりなさい僕たちの希望。ずっと大人になって空の飛び方を覚えたGalileo Galileiの新しい旅路の幸運を祈りたくなるような復帰作。これからもずっと遊ぼう。それがまっとうな人生だからね。



17.The Japanese House 『In The End It Always Does』


『In The End It Always Does』、「結局最後はいつもこうなってしまう」そんなタイトルがついたアルバムにまとわりつく悲しみとか後悔とか、人生で感じてしまうやるせなさがありながらも、どこかで諦めずに希望も同じだけ感じていたいという意志も感じる。だからこそ切ない。そんな思いを共有する心のケアのよう。心に寄り添いながら、前進できないときはしなくてもいいのだ。



18.Slow Pulp 『Yard』


オルタナサウンドと青春のキラキラ感が合わさるこの無敵感。バンドやりて〜〜〜って思うに決まってるやん。「来年の文化祭はSlow Pulpやろや!」隣の教室のあいつに声掛けに行きたくなる最高のアルバム。俺たちの人生に足りていないのはこれだ!



19.Lonely in the Rain『Odyssey Of Light』


Lonely in the Rain、フランスの若きプロデューサー。ピアノを主体としたシンプルで内省的な楽曲の包み込む空気感があまりにも美しくて、アーティスト名が音楽性を説明し過ぎている。誰かの孤独な夜をそっと照らすあたたかい音楽。アルバムを締めくくる"Still A Light"、まだそこに希望はある。



20.Overmono『Good Lies』


一番ずっと繰り返し聴いていたアルバムな気がする。説明不要だね。最高のブレイクビーツ。通勤中も料理をするときもランニングをする時もずっと流しながら踊っていたアルバム。2023年たくさんお世話になりまして。フジロックのライブも本当に最高でした。Tシャツお気に入りです。犬さんありがとう。




ここからの20位以下は『すべて最高』という評価です。


LE SSERAFIM『UNFORGIVEN』


NewJeansが今年もKPOPから世界を賑わせて、XGがJPOPとKPOPを股にかけて世界へとわっしょいわっしょいしていた2023年ですが、個人的にはLE SSERAFIMのアルバムを一番聴いていた気がする。"Eve, Psyche & The Bluebeard's Wife"を初めて聴いた時のカッコ良過ぎてビビった衝撃は忘れないわね。どの曲も一発聴いた時のトラックの印象が濃くて、聴いていない時でも頭に流れてくる。最高。



Kiefer 『It's Ok, B U』


「ここに住みたいです」、そう思わせてくれるくらい心地のいい作品で、改めてKiferの魅力を再確認できるアルバム。ジャズって言われてもどれから聴いたらいいのよって思った人にまずおすすめしたい。聴いてたらあっという間に終わるよ、あまりに良過ぎて。結果何周もしちゃう。タイトル曲の"It's Ok, B U"からの流れは特に最高。



Marie Dahlstrom『A Good Life』


Conor Albertが好きならお馴染みのMarieさん。Conorが提供したアルバムタイトル曲の"A Good Life"も圧倒的な名曲。心地いいグルーヴと落ち着いたメロウな歌声のボーカルがどの曲にも安心感を与えてくれる。いつ聴いても同じだけの穏やかさを得られるオールタイムベスト的作品。



Searows『End Of The World』


疲れた時、悲しみに心が沈んだ時、Searowsの『End Of The World』が手を差し伸べてくれる。真夜中の街の静けさがやけに優しく感じたり、夜の海が少しだけ寄り添ってくれたりするみたいな穏やかさを教えてくれる。自分の心の悲しみに蓋をしなくていい時だってある。そんな夜はそっとこのアルバムに頼ってみてください。



Del Water Gap『I Miss You Already + I Haven't Left Yet』


今年のインディーポップ作品で圧倒的に好きだったDel Water Gapの新作。ClairoやArlo Parksも参加した今作はベッドルーム的な心地のいい寄り添いと、外へ飛び出す開放感の両方を感じる。"NFU"聴いてると胸の辺りがグッときてたまらない気持ちになるよね。



Supershy『Happy Music』


NewJeansの"Supershy"ではなくTom Mischの変名プロジェクトのSupershy。Tomのソロは少しずつビターなテイストになりつつある中で、元々持ってるキャッチーな要素をこれでもか!って詰め込んだのがこのSupershy。超絶ディスコサウンドに全身の毛穴まで踊り出す。これ聴いて踊らない人っているのかな。スーパーシャイでもとにかく自分なりの踊りを踊ってみな!



Rocketman『SUNSHOWER』


待望の1stフルアルバム。"タイの緑黄色社会"と勝手に呼んでいる、とても勝手だ、全然音楽性とかは関係ない。心地いいギターの音色と、それを支える穏やかなグルーヴ、高温多湿なタイの空気を纏い、吹き抜ける風のように穏やかな楽曲たち。一聴すれば心地よく、安心してしまう。これをいつも称する時に"Tahiti80のようなバンド"と呼ぶ。1stアルバムにしてその信頼を勝ち取るRocketman。



JackPage『Run Into the Night』


オシャレで都会的なモダンなネオソウルや、オルタナR&Bを堪能できるリラックスした大人のネオソウル。背伸びした大人な豊かさと、キャッチーな親しみやすさを同時に併せ持つこのアルバムを聴きながら東京の夜景とか見たいよね。Jack Pageの声ってWonkの長塚氏を感じる時あるよね。



James Blake『Playing Robots Into Heaven』


James Blake原点回帰! やっぱりエレクトロ路線のJames Blakeが好きだし、大満足。いや、でえ満足だ! 冷たくて機械的なサウンドのテクスチャーとJames Blakeの空気まで包括するようなボーカルの相性が最高。2024年はフジロックで待ってます。



Romy『Mid Air』


今を生き抜くためのダンスフロアがここにある。そこがクラブでなくても、通勤中の電車、ベッドの中、キッチン、シャワー浴びてる時、帰り道の車の中、1人で目を瞑ってこのレコードをかければそこには無限に広がるダンスフロアがある。その場所で強く抱きしめてくれるRomyの優しさとパワーを信じて。



SWiiMS『Into The Blue Night』


2023年ナンバーワンドリームポップアルバム。カナダのスリーピースバンドSWiiMSの瑞々しさと浮遊感の詰まった最高のデビューアルバム。ギターのサウンドがたまらんよね。良質なドリームポップのバンドって数多くいるけど、その中でズバ抜けてこれだ!っていうバンドに出会うのは意外と難しい。でもSWiiMSのアルバムはこれしか考えられないと感じるほど魅力に溢れた作品。



Cory Wong『The Lucky One』


今年のフジロック、フィールドオブヘブンでの最高の夜を作り上げたCory Wongのニューアルバム。現代の最高のファンクバンドVulfpeckのギタリストにして、現代の三大ギタリストの一人であるCory Wongの音楽性とギターセンスがこれでもかと詰め込まれた最高のファンクアルバム。あまりに最高すぎてもう誰に感謝したらいいのか分からなくなって、最終的に自分自身に感謝してしまう。こんなに最高な音楽を好きな自分、ありがとな!



Ryan Beaty『Calico』


より繊細で温かく、エモーショナルにピアノとアコースティックギターが全体を包み込むunpluggedな雰囲気のRyan Beatyの今作。Ryanの繊細なボーカルは多くの人の心に寄り添い、気が付いた時には自然と涙が溢れてしまう。深いピアノの音には広い海を眺めているような、そこで漂っているような、そんな不思議な気持ちにさせられる。大好きなアルバムであるTobias Jesso Jr.の『Goon』を思い出した。



Cleo Sol『Gold』


きっとこのアルバムが誰かの日々に手を差し伸べてくれていたのだろうなと思って、本当にいつでも感謝しかない。2021年にはCleo Solの『Mother』があって、2022年には宇多田ヒカルの『BADモード』があって、2023年にはこの『Gold』、きっと2024年には宇多田ヒカルがまた導いてくれるはず。勝手にそんな気がする。"Please Don't End It All"、全てを終わらせないでいてくれてありがとう。"Live your truth"、あなたを諦めずに生きていこう。



Ax and the Hatchetmen『Ax and the Hatchetmen on Audiotree Live』


アルバムが未リリースなんだけど、もうこのAudiotreeの企画のライブの音源だけでも彼らがいかに最高かってことが分かってしまう。ツインボーカルでシャウトする姿にはMando Diaoを彷彿とさせ、ガレージロックのサウンドが最高にかっこいい。サックスとトランペットを含めた7人編成と今時珍しい大所帯のロックバンド。2000年代のガレージロックリバイバルのリバイバル!



Surf Rock Is Dead『drama ~ chill』


"SURFGAZER"こと俺たちのヒーロー、みんな大好きSurf Rock Is Dead。ドリーミーでキャッチーでオルタナなサウンドは実家のような安心感。実家のコタツでみかんを食べている時みたいな安心感。コロナ禍でリリースされた前作からもう3年も経っているのか…とコロナ禍という時間のバグを感じてしまった。すごいや。



優河『月食の夜は』


NHKで放送されたドラマ『月食の夜は』の劇伴として制作されたアルバム。12曲のインストゥルメンタルの楽曲を13曲目に収録された"光のゆくえ"が包み込む。どこか寂しげなメロディなのに、必ず暖かさがある。夜なのに暖かい、そして孤独ではない。ギターやピアノが奏でる優しい旋律が心を包んで守ってくれるそんなお守りのようなアルバム。



Inhaler『Cuts & Bruises』


あまりの早熟っぷりに心配になる。2ndアルバムでこの地に足のつき方、しかもまだハタチそこそこなのに。前作にあった疾走感や勢いよりも、はっきりと楽曲の良さだったりElijahの声の良さの伝わる作品になっている。やっぱりロックバンドの夢を彼らに託して正解だったなと思うアルバムだった。



MUNYA『Jardin』


カナダのケベック州出身のMUNYA。公用語がフランス語のケベック州なので、楽曲の中でもフランス語と英語を使いこなす。伸びやかで透明感のあるボーカルとキャッチーなシンセに心がフワフワと浮遊した気持ちになる。アルバム中でNew Orderの名曲"Bizarre Love Triangle"のカバーを収録しているけど、こんなにドリーミーな"Bizarre Love Triangle"は初めて聴いた。最高でしかない。



カネコアヤノ『タオルケットは穏やかな』


アヤノへ
ちゃんと毎日美味しいご飯を食べていますか? 好きな人と一緒にいますか? 夜に解決できない考えごとをして眠れない日はありませんか。陽の光を浴びていますか。季節の流れを感じていますか。あなたが幸せならそれでいいです。あなたが大切に思うことだけ見つめていてください。美味しいみかん送るからたくさん食べてね。
母より



Kamal.『so here you are, drowning』


今年のGREENROOMで来日公演を見ることができたKamal.。ネオソウルやインディポップに多大な影響を受けた音楽性と、透き通るように若さゆえに儚くて内省的な歌詞と歌声が魅力。来日した時にDMで少しやり取りしたけど、横浜のロケーションをすごく気に入ってくれていたみたいで「また来たい!」って言ってくれていたので再来日を楽しみにしたい。



空気公団『景色一空』


様々な景色を11の楽曲で一つに詰め込んだ作品。空気公団の作品はひとつひとつの楽曲に人間の物語を感じて、いつも「街角のような作品」と感じる。それぞれが呼吸する誰かの街角の物語に共感したり、大切に思ったり、自分のことかと思ったり、そうやって誰かが今日も息をしていることが愛おしく感じる音楽たち。ジャケットの写真が綺麗やね。



Fulton Lee『Bullseye』


2023年、2枚のアルバムをリリースしたFulton Lee。半年で2枚って…、しかもそのどちらも最高のクオリティ。『Sonny Boy』もどちらも選びたいところだけど、枠の関係もありっつ最高の名曲"Close To The Edge"が収録された『Bullseye』にした。誰の心だって踊らせ、時には誰の気持ちにだって寄り添ってくれる。最高にソウルでファンクで、仲の良い友達みたいなアルバム。



boygenius『the record』


俺たちのスーパーヒーローboygenius。希望の光。このアルバムを聴いてる時だけに胸に溢れる強い気持ちは本当の気持ち。空に掲げる3人の手は、「私たちもここにいるよ」という意志に感じる。空に手のひらを掲げていこう。自分が今日もここに生きていると世界中に知らせていこう。



Caroline Polachek『Desire, I Want To Into You』


フジロックのホワイトステージで見た圧巻のパフォーマンスが脳裏に張り付いて忘れられないCaroline Polachek。壮大でいて、ポップでありながら力強く、エネルギーを振り撒くあのライブで見たパワーが、アルバムにも同じだけ落とし込まれている。数年後、フジロックのヘッドライナーとして苗場に立つCaroline Polachekの姿がもうすでに浮かんでいる。



Jordan Ward『FORWARD』


ゴスペルやR&Bを聴いて育ち、ダンサーとしてのキャリアでショーのキャリアをスタートさせたJordan Ward。ジャスティン・ビーバーやビヨンセのツアーダンサーを務めた後に自身の音楽制作を始めた異色の経歴。ヒップヒップやソウルなど、自分が影響を受けたサウンドを形にしていくメロウな心地よさ満載のアルバム!



ハク。『僕らじゃなきゃダメになって』


なんでこんなにいいんだろう。何がこんなに自分の心を刺激するのかウンウンと考えている。関西の4人組バンド、ハク。のデビューアルバム。インディロックからの影響を感じるバンドのサウンドと素朴な歌詞と歌唱と演奏。特別な強い才能とか音楽性を感じているわけではないのに惹きつけられる。チャットモンチーをぼんやりと聴いていた頃の気持ちと似ているのかもしれない。このざわめきの名前が分からないのは僕がもう通り過ぎてしまったせいかもしれない。誰かの「特別」に少しおじゃましている。



Young Bae『Groove Continental: Side B』


昨年リリースされた『Groove Continental: Side A』に引き続いて今年リリースされたのはSide B。人類を踊らせるために生まれてきた男ことYoung Bae。フジロックの深夜に冷えた体を温めようとラーメンを啜っていた俺のことを踊らせたのだから大したものだ。何も考えず踊っとき? TuxedoのMayer Hawthorne参加の"Body Talk"が特に最高。



Beach Fossils『Bunny』


このジャケでタイトルが「Bunny」ってそのまますぎてどうすんのよ。今年1年間ずっとレコードを買った時についてきたジャケットのステッカーをスマホケースに入れていたので愛着がハンパない。このギターのサウンド、みんな好きじゃろて。キラキラしているのにどこか退屈そうで、その哀愁がグッとくる。



家主『石のような自由』


ずっと待っていた。12月の年末にリリースされようが関係なく年間ベストに入ってくる。自由はここにある。君はそこにいる。ロックはここにある。俺たちと共に転がり続けてくれ。拳を突き上げて明日へ行くぞ。希望のロックンロール。



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