バタフライエフェクトの毎日
人は学ばない。驚くべきことだ。
1年前に落ち込んで半年前に立ち直ったことと同じことでまた落ち込んでいる。
どうして人は立ち直った時に"もう大丈夫だ"とどこかで思ってしまうのだろう。これは「完璧に治ったね症候群」だ、きっと。
勝手に作った病名なのだが、『時計じかけのオレンジ』のラストの台詞である「完璧に治ったね」からとったオリジナルの症候群だ。すぐ症候群という名前を付けたくなる。症候群と付ければ何か箔がついた気がして少し言葉が逞しく思える。
つまり人は完璧になど治らない。人間の心は元に戻ったり治ったりすることなんてほとんどないということが言いたい。
人はただただ一本で結ばれた"死ぬ"という決定事項だけを抱えて人生を生きていく。そのルートが長いのか短いのか、太いのか細いのかそれは誰にも分からない。人生において「もしああだったら」、「もしあの時こうしていれば」などと考えてしまうのは人間の性なので何も特別なことではない。
最近YouTubeで三浦大知がゲーム実況で『Until Dawn』というゲームをプレイしているので観ているのですが、それがとにかく面白い。ゲーム内に出てくるいくつもの選択肢を選んでいくとストーリーがいくつにも分岐していき、主人公たちの生死や行き先が変わっていくようになっている。最終的な結末もいくつもあるようで、ゲームとしては凄く特殊なゲームで面白い。
ただこれは僕らが人生で行っていることで何も特別なことではない。ゲーム内でテーマとされている"バタフライエフェクト"という言葉。映画にもなって知られている言葉ではあるけど、これも僕らの人生では当たり前に日々起き続けていることで何も特別ではない。
人生は必ず1人に1つなのだから、蝶の羽ばたきが地球の裏側で嵐を起こしている"かも"しれないし、そうじゃない"かも"しれない。それは誰にも分からない。僕らが生きている人生というのはそういうものなので、仕方がない。
だからこそそんな膨大な選択肢に悩まされすぎずに映画の『TENET』にもあったようにこの世界、この人生を普通にごく当たり前に生きていくことが生きていく上で大切なんだと思う。
人は学ばない。どうだろう。
こうして生きてみると人はちゃんと学んでいるかもしれない。それが知りたければ明日も朝起きて飯を食って働いて、人と話して少し笑ってお風呂に入って眠ればいい。
そして人の一生はそんなに単純じゃないぞと、今日も自分に思うのだ。
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