採用時申告と実際の技能の差による解雇
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高度専門職(上場準備担当)として正社員を新規採用しましたが、実際に業務をさせてみたところ専門的知識や人脈も、面接時に本人が申告していたレベルに遥かに満たないことがわかりました。能力不足であり、虚偽申告であると考えています。
試用期間満了で解雇したいのですが、問題ないでしょうか?
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従来と比べて人材の流動化が進む中、近年、顕著な能力不足による解雇の問題が増加しています。しかし、本採用する上で労働者に求める能力・技能・実績を採用時に客観性がある判断基準により明確に示しそれが達成出来なかった場合の措置を労使で合意できていない限り試用期間満了による解雇は困難であるのが実情です。
例えば、営業開発部長として採用した基幹社員が、採用時に義務付けた営業社員10名の採用達成ができなかったこと、能力が低かったこと等を理由として行った解雇が無効と判断された事案(コアズ事件)では、
と指摘しています。
例えば、「3次元CADが使えることが条件として採用された者が、実際は明らかに使えるといえるレベルに達していない」という明確な条件未達であれば解雇は比較的容易でしょうが、定性的な基準を根拠とした解雇はトラブルに発展しやすい為、より具体的で詳細な基準を作成し、出来れば書面で予め明確に合意しておくことが望ましいでしょう。
また、解雇が難しい場合に備えて採用時の申告能力が疑わしいときに限り、仮に本人の希望年収が月額50万円であれば試用期間中は1ランク引き下げた40万円を基準給とし差額の10万円を「試用期間限定の調整給」として設定し労使合意の上で支給する。
試用期間中の人事評価で採用時の申告能力と大きく乖離が無いのであれば、本採用時に調整給を廃止の上、基準給を50万円に引き上げる。一方、大きな乖離があるのであれば、調整給をそのまま廃止し40万円で本採用する。(著しい乖離があるのであれば試用期間満了にて解雇)
そのようなリスク対策が必要となる場合もあるでしょう。
Ⓒ Yodogawa Labor Management Society
社会保険労務士法人 淀川労務協会
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