個性とは?
私には小学校3年生の長男と、幼稚園に通う5歳の子供がいます。
その中でも長男は生まれつき手足を僅かに動かせはしますがほぼ不自由で、就寝する時は常に呼吸器が手放せず、日常生活においては車椅子が必須であり尚且つ、食事の手助けや排泄の世話までしないといけないのが現状です。
この歳になるまで心臓と脚の手術も受けました。
幸い小学校は色々な方達のサポートを受けながら通わせて貰ってますが、それでも妻が一日の途中で排泄の世話をしに学校へ行ったり、月に数回学校を抜けて身体のリハビリに行ったりしています。
何故生まれつき手足が不自由であるのか?
未だにその原因は今の医療を以てしても解明されないみたいで、これからも歩けないであろう事をお医者様から知らされた時は夫婦で大変ショックを受けました。
よく障害のある人の事を、「障害は個性」みたいな言い方される事ありますが、実際そのような子を育てる身になってみるとそんな言葉は綺麗事にしか聞こえず、本当にそうなのかな?と思ってしまいます。
当然彼も成長と共に身体は大きくなってきますが、それと比例して私達夫婦は加齢により衰えていきます。
車椅子からの上げ下ろし等、日常に於いての重労働は山程あります。
現実、我々は彼が生まれた時から「育児」ではなく「介護」をしている感覚なんですね。
しかしながら矛盾しているようですが、それ故に貴重な体験も彼を通してさせて貰ってきたというのも事実です。
これから彼がどのような人生を辿るのかは、私たち夫婦でさえも今は分かりませんが、いつか彼が独り立ちをし、自身の障害が個性と感じられるまでは出来る限りのことをしてあげたいなとは思います。
そして、彼がひょっこり立ちあがって歩き出すという以前見た事がある夢、これがいつか現実になれば良いなとも。
原因不明であるが故に、原因不明に歩き出すこともあるかもしれない。
常にこの矛盾と現実の中で葛藤してますが、私達夫婦はこれからも諦めずに彼と共に生きていきたいと思います。