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【いまさら聞けない!】抗がん剤が変更となる2つの理由

こんにちは、前日チートデイのため食べ過ぎて浮腫みまくってるよっちゃんです(笑)

今回は、抗がん剤が変更になった時に「なぜ?」と思う方は意外と多いかもしれません。

実習生や若手の薬剤師さんはそこまで意識できず、日々の業務に追われていると思います。おそらく、中堅以上の方でも疑問に思う人は一定数いらっしゃいます。

あなたはいかがでしょうか?

全然ばっちりだよ!って人には物足りない内容ですので、閉じてもらって全然かまいません!(笑)

それでは、本題にいってみましょう!

抗がん剤を行う理由の把握

まずは、結構重要な事として、抗がん剤を行う理由をサクッとおさらいしていきましょう。

抗がん剤を行う理由としては主に3つあります。

  • 腫瘍を小さくして手術を行う術前補助化学療法

  • 術後の再発予防として行う術後補助化学療法

  • がんの進行を抑え、予後の延長を目指す化学療法

これらの大まかな分類は頭に入れておくと、レジメン変更になる際の理由の絞り込みが出来ます。

ただ、あらかじめお伝えしておくと、抗がん剤の変更する場合、「がんの進行を抑え、予後の延長を目指す化学療法」であることがほとんどのため、それに絞って解説していきます。

抗がん剤治療の流れを把握

これは各診療ガイドラインにもおそらくフローチャートで記載されていることも多いとは思いますが、1次治療とか2次治療とか記載がされています。

これが治療を行う基本的な順番(標準治療)と理解しておきましょう。
ここから逸脱することはほぼないと思って問題ありません。(標準治療と違うという事はそもそもその治療自体にエビデンスがなくなるため)

気になる方は、「がん診療ガイドライン」でGoogle検索してみてください。日本癌治療学会が各ガイドラインのURLを貼ってくれています。

しかし、ここ1~2年で各がん種の診療ガイドラインが更新されているため、最新の状況を知りたい方は新しい参考書関連をあたってみても良いかもしれません。

ただ、ある程度大まかな流れに変わりはないため、既存のものでも参考になるとは思います。

抗がん剤が変更になる理由は主に2つ

さて、標準治療の流れもざっくりイメージできたところで、ようやく気になる抗がん剤を変更する理由について解説していきます。

〇次治療から〇+1次治療に変更する理由という事ですが、次の2つがあります。

  • 化学療法の効果が不十分

  • 副作用のコントロールが不能

一つずつ分かりやすく説明してきます。

化学療法の効果が不十分

冒頭にもお伝えした通り基本的にはがんの進行抑制のために化学療法を行っていますが、効果が得られなければ意味はありません。

もっと分かりやすく言うと、進行抑制できない化学療法は続ける必要性がありません。(効果がないのに副作用に苦しむ、金銭的な負担が増えるため)

ただ、化学療法の効果については腫瘍マーカーでは確定診断が出来ない為、必ずCT検査などの画像検査を行う必要があります。

画像検査を行い、腫瘍がどの程度変化しているのか。
そこでProgressive Disease(PD)*という判定を受けることで化学療法が効いていないと判断されます。

*PD:腫瘍の径和が20%以上増大した状態(もっと簡単に言うと、がんが増悪したよってこと)

PDの判定を受けたのちに、使用したレジメンとは別のもの(次治療)に変更されます。

これば抗がん剤が変更される一つ目の理由です。

副作用のコントロールが不能

抗がん剤は他の薬剤と比べて治療域と副作用域が近い or 重なっています。

副作用のリスクが高いため、副作用の程度が大きいと(CTCAE Grade3
)減量して対応していく流れがほとんどです。

減量の下限も抗がん剤によって設定されており、下限の用量でも副作用が強く出る場合には、副作用のコントロールが不十分として次治療へ移行します。

それだけでなく、例えばオキサリプラチンではアレルギー反応も知られていますが、程度によってはオキサリプラチン不耐として次治療への移行、オキサリプラチンのみ中止。などの対応がなされます。

本来は支持療法も使用されているので、副作用のコントロールが不良でレジメンが変更するケースは多くはないです。(個人的な感覚では1割もいかない)

レジメン変更となった際の患者への声掛け

レジメンの変更になる理由のほとんどは「がんの進行が抑えられていないこと」だと感じています。

レジメンが変更になった時や気づいた時にはどのような声掛けを行えばよいのでしょうか?

結論から言うと特に声掛けは必要ないです。(正直正解はないと思いますが…)

強いて言うのであれば、次治療開始する際に、きちんと抗がん剤に対する服用方法や食事などの注意点、副作用の情報と医療機関に連絡するべき症状をきちんと伝えることが重要だと考えます。

そのためにも、きちんとレジメンを把握することが大切です。

保険薬局では、基本的に内服抗がん剤の情報しか得られませんので、きちんと点滴の情報を把握していくことを意識していきましょう。

すこし冷たいのでは?と思うかもしれませんが、きちんとレジメンを理解しなければ、正しい副作用管理の一助にはなりえません。

まとめ

抗がん剤が変更になる理由を把握し、必要な事を聴取・確認することで、

  • 患者さんの状態の予想

  • 〇次治療かが判断出来れば治療のどの段階に患者がいるのか

  • 副作用管理の適正化

などに繋がります。

これらは非常に重要な要素であり、特に薬剤師が化学療法に関わる上では理解していただくことが良いでしょう。

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