副作用の正しい評価できてる?CTCAEというツールを使いこなせ!
こんにちは、朝のランニングで目覚めが超スッキリした薬剤師よっちゃんです!
いきなりですが、皆さんが抗がん剤服用、あるいは投与している患者さんと副作用について話したときに、「ちょっと~」「結構~」「少しだけ~」と聴取することはありますか?(例えば、ちょっと気持ち悪かった等)
そんな副作用を聴取したときあなたはどのように評価を行っているでしょうか?
また、どの程度の副作用なのかを具体的に理解することは出来ているでしょうか?
今回はそれらの疑問や悩みを解決できる有用なCTCA(有害事象共通用語規準)というものを紹介していきます。
副作用評価の重要性
まず初めに、副作用の評価をきちんと行う必要性についてお伝えしていきたいと思います。
皆さんは副作用をきちんと聴取できていますか?
これは完全に持論ではありますが、抗がん剤の副作用確認を薬剤師が行う意義として、ただその事象を把握するだけではなく、「いかに早期に対応できるか、適正な対応ができるか」だと考えています。
医師が確認しているじゃん!という方もいらっしゃいますが、ある研究では薬剤師の積極的な介入により有害事象の悪化を防ぎ治療継続に繋がったという報告もされています。
それほど皆さんの副作用確認の対応が患者さんの治療に大きく影響しているという事です。
いずれにせよ、副作用の適切な評価というものが根っこにあることを認識してほしいです。
CTCAEとは医療者が共通して使っている評価方法
有害事象共通用語規準(CTCAE)
副作用を適切に評価すると言っても医師の評価と薬剤師の評価の基準が異なっては意味がありません。
医療従事者間での曖昧な評価を、ある程度同じように把握できる形にしたのがCTCAEとなります。
CTCAEの評価方法
それぞれの症状に応じて設定されています。
Gradeという表記で表現されますが、5段階で有害事象をランク分けしています。基本的にGrade3の副作用が出ている場合には抗がん剤を中止することがほとんどです。
詳しくは、Instagramの方に掲載していますし、CTCAEの一覧表のプレゼントも行ってます!
CTCAEを用いるメリット
CTCAEを用いる大きなメリットは2つあると考えています。
聴取する内容が理解できる
患者さんの為に提案ができる
聴取する内容が分かりやすい
CTCAEを評価をするにあたって、基準を知っているというのは大きな意味を持ちます。
なぜなら評価する内容が分かればそれに該当するかどうかを確認しますよね?つまりは、聴取する内容が明確になるのです。
いつも「吐き気はどうですか?」「そうなんですね。お辛いですよね。」で終わっている人にこそ、このCTCAEの有用性を理解できると思います。
CTCAEを活用すれば、「気持ち悪さを訴えたら何を聞く?」「下痢していると聞いたら何を聞く?」「しびれが出ていると言ったら何を確認する?」などの疑問を解消できますよ!
患者さんのために支持療法の提案ができる
抗がん剤の中には、適正使用ガイドというものが存在します。
この適正使用ガイドの中には、注意してほしい副作用や発現したときにどのように対応することが望ましいかが記載されています。
その際CTCAEのGrade評価に応じて対応が異なるため、CTCAEを理解し評価が出来るようになれば医師への提案が行えるようになります。
参考までにエーザイ株式会社が発行しているレンビマ(肝細胞癌)の適正使用ガイドのリンクを貼っておきますので気になる方はご覧ください。
CTCAEの過信もNG!?意外な落とし穴に注意
「え?CTCAEで評価した方が良いのに過信がNGってどういうこと?」
このように思った方いるのではないでしょうか?
はい、基本的にはCTCAEにのっとった評価で行って良いですが、実は問題点もあるんです。
それは、医療者と患者さんとで副作用の感じ方が異なるという点です。
医療者間ではCTCAEでの共通認識で良いですが、患者さんが相手になった場合に、ズレが生じる可能性があります。
Grade1(軽度)の評価を医療者がしても患者さんにとっては、全然軽度じゃないよ!しんどい!という方もいるからです。
患者さんへの負担の大きさも考慮し、Grade1だから様子というのではなく、症状増悪した場合を考慮した提案や治療継続に影響がでそうな感じかを医師への情報提供として行うことが良いと言えるでしょう。
重要なことは、CTCAEによる評価を根っこにおいて、患者さんのこともキチンとみていこう!という事です。
これらを理解しながら、CTCAEを活用して患者さんの負担に応えられる薬剤師になっていきましょう!