八ヶ岳縦走(権現岳・赤岳・阿弥陀岳)
南八ヶ岳周遊ルート
2月25日(土)天候のよいエリアは八ヶ岳エリア。ちょうど、2018年TJARの先輩が行くとのこと、ご一緒させていただくことになりました。
ご提案のコースは、船山十字路から、西岳・権現岳・赤岳・阿弥陀岳、そして船山十字路に戻る18.5km、累積標高2080mの日帰り周遊コース。
厳冬期のこの時期、それだけの距離を歩いたことがないので最初は驚きましたが、雪が少ないとのこと行ってみることに。
船山十字路~西岳~権現岳
4:40に駐車場へ到着し、5:00スタート。西岳へのルートは、この時期、人が歩かないルート。そのため余裕をもって夜明け前からスタート。何回か渡渉し、すぐに踏み後がなくなってきました。そのルートを迷わず歩いていく先輩の姿はさすがです。西岳への尾根にとりつき、しばらくすると、膝まで埋まる状況。
そこで、スノーシューに切り替え、ラッセル開始。ここは現役のみせどころと前を進みましたが、スノーシューも埋まる状況、トータル1時間程度かけなんとか登頂。頂上についたときは、この日のゴールかと思うくらい叫びました。富士山もクリアに見えました。
西岳からは踏み後があり、スムーズに。スノーシューを外し、ノーアイゼンで進みます。
権現岳へもトレースがつけられており、先行者が数名いる模様。こういったときのトレースは非常に有難いです。
途中でアイゼンの取り付け。用意は早いほうで待たせることはあまりありませんが、先輩の取り付けは早かった。リュックの取り出しも無駄がない。
道具を普段から観察・調整し、道具と一体化している感覚、とても勉強になります。冬季は寒さと風があるため、準備の手際・時間は非常に重要です。
権現岳~赤岳
そして、権現岳登頂。
横岳側からみる赤岳より、権現岳側からの姿が好きという方も多くいます。初めてみる厳冬期の権現岳からの姿はかっこいい。そして、透き通った濃い青空。風はないもののマイナス10度を下回る寒さ、八ヶ岳の特徴です。
権現岳の長ハシゴ。三点支持で一歩一歩降ります。
途中までいくと先行する二人のパーティーに追いつきました。
ここまでのラッセルのお礼をして、交代しました。
時折踏み後がみえますが、赤岳直下まではラッセル。西岳へのラッセルの疲労がここで少し響いてくる。
そして核心部へ。岩稜と雪のミックスは緊張感がありますが、好きな時間。
一歩一歩安全を確認しながら登る瞬間。アイゼンの効きを確かめながら、ピッケルを刺す。雪の状態もよく、登頂できる状態であることを確認しました。
核心部を乗り越え、最後の登り。ここから少しガスが。
赤岳~阿弥陀岳~船山十字路
そして、無事登頂。久しぶりの厳冬期の3,000m級だからか、酸素が少し薄い感じがしました。そして、ガスの未登頂・阿弥陀岳。これまでの疲労とガスでラスボス感満載でした。
そして、先輩の歩きが勉強になりました。
前半からスピードが一定で、このタイミングでも同様のスピード。阿弥陀岳への登りは、着いていくことしかできませんでした。
阿弥陀岳への急登も踏み後があり登りやすく、安全に登頂できました。
船山十字路への距離もそれなりにありましたが、17時過ぎに到着。5時から12時間の行程となりました。
登りたかった厳冬期阿弥陀岳へも登ることができ、権現岳・赤岳と贅沢なルートでした。
最後に
普段はソロ登山が多いですが、今回一緒に行動をすることで、改めていろいろと勉強になりました。
①ギアの性能をしっかりと知ること。
②ウェアの性能をしっかりと知ること。
③様々なトラブルを想定した準備ができていること。
①、②はTJARに出場した際も思ったことですが、熟練者は自分のギアの性能・使い方、そして癖を把握しています。特に厳冬期や疲れたときは、いろいろと面倒になってしまいます。ベンチレータの開け閉め、水分・補給をどう効率的にできるか。もっと考える余地があるように思いました。
③は、ギア・ウェアの性能も踏まえた準備。ファーストエイドだけではなく、道具の修復までも見据えた準備。軽量化も考え、どう工夫して、準備しておくか。とても勉強になりました。
初の厳冬期の参考でしたが、お互いの経験値を確認し、スタート前に撤退や中止の準備も決め、スムーズな山行となりました。
12時間行動を共にし、綺麗な景色と登頂を分かち合い、いろいろな話ができ、とてもいい旅となりました。