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麦を見ておやつを想う。 ふなやきの作り方

  麦秋至


  令和4年5月31日。二十四節気小満、七十二候 麦秋至(むぎのときいたる)。

  麦を見ておやつを想う

 麦秋の畦を散歩しながら、ナウシカのあのシーンを思い出し、味覚はおやつを想う食いしん坊。

  ちょっと場所を変えると、キリンビール滋賀工場が麦畑越しに見える  素敵な環境に多賀町はあります。

キリンビール滋賀工場

 ビールは大麦でしたよね。たぶんこの辺で栽培されているのは小麦で、品種は「ふくさやか」を栽培していると聞きました。間違えていたらすみません。
  小麦粉の定番おやつは、皆さん口を揃えて「ふなやき」と答えられます。そして「はったい粉」も。「ぼんがら餅」も小麦粉です。

ぼんがら餅の作り方↓

はったい粉


   小麦粉を炒って粉にしたものが「はったい粉」。
  香川では、はったい粉の事を「こうばし」「おちらし」と言いました。子どもの頃、ご飯茶碗に、はったい粉とお砂糖を入れ、お湯を注ぎ、お箸で練って食べた記憶があります。ゆるゆるの生地にするのか、箸でまぜられるギリギリの固さにするのか、その日によって美味しい食べ方を姉妹で追及しました。
  また、はったい粉と砂糖だけで、気管に入りそうになりながら咳き込み、そこらじゅう粉を吹き飛ばして、ふざけながら食べた記憶もあります。
  多賀では、「麦こがし」と聞きました。屋外で葉っぱにのせて食べたのが懐かしいと。また、炒った麦を挽いてもらいに、水車と臼がある粉挽き屋さんにお使いに行った話も聞きました。

ふなやき

  パンケーキを焼いて出すと、決まって「ふなやき?」と義母に聞かれ、ふなやきが何のことか分からず、ちんぷんかんぷんでした。民俗聞き取り調査に同行するようになって「ふなやき」の正体がなんとなく分かり、実際に何度か教えてもらいに行きました。

お母さんの語りつなぎ

 ふなやきは、小麦粉と水と塩少々を混ぜてクレープのように焼いたもん。昔は家で小麦粉を臼で挽いとったし、今みたいな真っ白な粉やのうて、今で言う全粒粉。石臼で挽いた粉にな、塩をちょっと入れて水で溶くんよ。おくどさん(かまど)の上に置いたホウライ(鉄鍋)で焼いたんが懐かしいわぁ。
  ふなやきの呼び方は多賀町内でも色々聞きます。「ふのりやき」「じゅうぴしゃん」「べたやき」など。生地にネブカ(ネギ)刻んで混ぜたり、キャベツ刻んで混ぜたり、今で言うお好み焼きみたいなもんも作ってたそうです。
  おやつにいただく時は、砂糖を中につけて、砂糖がこぼれないように真ん中で折る食べ方で、「おがみにする(手を合わせて拝む姿から)」言うんやで、と教えてもらいました。

ふなやきの作り方

「ふなやきの作り方みたいなもん、ほんなもん めっそ(目分量、適当)やで」と。いちいち手を止めて計量させてもらいました。

材料

約5枚分
小麦粉(中力粉や全粒粉)…100g
水…200cc
塩…ふたつまみ

作り方

①ボウルに材料をすべて入れてまぜます。


②温めたフライパンに油を薄く引き(分量外)、お玉一杯生地を入れて焼きます。
③フライ返しでひっくり返して、表面に少し焦げ目がついたら出来上がり。

中力の全粒粉なので色が濃いです

お砂糖(分量外)を少しまぶしていただくのが昔ながらの食べ方。忙しく働くおかあさんが、おなかを空かせて帰って来た子ども達に食べさせてあげた、とてもシンプルなおやつ。いっぺん作ってみてくださいね。





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