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老母と私の農作ノート22

今村祥吾の「イクサガミ」という本がある。天・地・人の三巻で最近やっと「人」の巻が出版された。時代は明治維新の頃、非常に面白い作品である。内容はネタバレになるから触れないけど、天の巻を試しに読むともうやめられなくなる。地の巻が出るまで一日千秋の思いで待ち、人の巻もやっと出たという思いだ。

イクサガミ「天」

そういえば母は読書をするような人には見えなかったけど、私が書いた本は大喜びで読んでくれた。いわゆるハウツーものだったからかもしれない。

宣伝になるけど、上記の本です。

世の中ハウツーものは読むけど、小説の類いは全くという人はかなり多い。母も小説を読んだという話は聞かない。亡父も小説は読まないだろうと思い込んでいたが、あるとき夏目漱石の話題になって「それから」という小説の結末について亡父が語っていたのを聞いて驚いた。

 「この人小説を読むんだ。しかも、夏目漱石!」

堅物で融通が利かず私とは正反対の人物だったが、夏目漱石を読むという部分だけは共通点があったのである。

漱石は私の最も好きな作家の一人である。中でも「文鳥」がいちばん気に入っている。その文鳥が餌をついばむときの描写が素晴らしい。結末の方に出てくる主人公(漱石本人の投影と思われる)の八つ当たりとも言える言動にも我が身に近いものを感じて親しみがわくのである。

日本の人口は約1億2000万人と言われているが、この中で小説を楽しむ人々はだいたい5%というのを聞いたことがある。600万人である。

窓際のトットちゃん

日本一売れた小説が「窓際のトットちゃん」国内では単行本と文庫本を合わせて800万部売れたというデータ。両方買った人とか、図書館の購入とかで600万を超えたのだろうけど、それにしてもすさまじい数字である。ちなみに、世界中で売れており、2500万部以上の販売部数。

印税がいくらとかは計算せずとも、黒柳さんが超セレブなことは間違いなかろう。

ところで、世界のベストセラーは何かご存じですか。もちろん「聖書」は除いての話。これは2位が「毛沢東語録」、3位は「ハリーポッター」

ハリーポッターはシリーズ合計でのことだと思うが、それにしても3位というのは素晴らしい。しかし、三大ベストセラーとなると「聖書」「資本論」「星の王子さま」と出ている。「ドン・キホーテ」が最も読まれている本だというデータもある。

ちょっと頭の整理が追いつかないのである。

自分の文章を何百万人もの人に読んでもらうというのはどんな気分だろうか。黒柳さんにファンレターでも書こうかと思う今日この頃です。

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