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ぶんかざい えほん(絵の指示あり)

先日投稿した『ぶんかざいえほん(絵の指示なし)』ですが、実は個人的に、

「本になったらこんな絵や写真を載せられたらいいな~」

といったイメージを持っていまして。
ただ、文章を読んでどう受け取るかは読まれる方個人のイメージを大切にしてほしいという気持ちもあり、両方載せてみることにしました。
【 】⇒写真
[ ]⇒イラストレーターさんにお願いして描いて頂く絵
という感じで、指示をみて頂ければと思います。

ちなみに、絵の指示なしの方はこちら↓になります。
お時間ありましたら覗いてみて頂けたら嬉しいです。

ようやく始まります~↓


文化財。

それは、主に博物館に展示されているものをいう。

アートや芸術的な雰囲気の強いものは、美術館に展示されているよ。

科学の発展や、発明品は、科学館。

動物に関するものは動物園。
え? 動物園も? って思った?

そう、実は動物園も、「動物を知るための施設」だから、
博物館や美術館とかと同じ種類の場所なんだ。

良ければちょっと、
検索してみて。(自分のスマホを持っていなかったら、大人の人と一緒にね!)
世の中にはね、
もっともっとマニアックな“展示施設”が
あるからさ。
【北海道の熊のみの動物園】【横浜のオルゴール博物館】

もし見つけて、そこに行くことができたら、
そこにあるものを見て聞いて楽しんで、
「なんで、ここを作ったひとは、この施設を作ろうと思ったんだろう?」
って、考えてみてね。

さてさて。

なぜこうしたものを残すと思う?

美しいから?

歴史が分かるから?

大事だから?

でも、ひとによって美しいと思うものは違うし、見たら辛くなる場合もある。

君にとって大事なものも、他の人からしたら大事じゃない場合もある。
[男の子がゲームしまくっていて、お母さんがお冠→お母さんがゲームを取り上げている]

上手でもない、むしろ、下手な絵や、
【広島記念博物館の被爆者の描いた絵】【ピカソの『ゲルニカ』】

よく意味の分からないものもある。
[?マークのモニュメントの前で首をかしげる人]

辛くなるものは特に、なぜ残す必要がなぜあるのだろう。

それはね、
我々が我々を知るために、文化財はあるんだよ。

「この地域の人々は、こういうのを美しいと思ってたんだなあ」
「昔はこういう生活をしていたのか」
「昔、こんなできごとがあったのか!」

そうしたものの上に、我々は生きている。

そうしたものたちがあったから、我々は生きている。

だから、戦争で相手の国の物を奪ったり壊したりするのは、その国の人の歴史やアイデンティティ、誇り、未来を壊すことでもある。
【ウクライナのムリヤがロシアに破壊された時の写真】

言葉や工芸品、宗教を変えてしまうのも、戦争よりも時間がかかるけれど、戦争と一緒。
【中国のチベットでの弾圧を伝える報道写真】

これらは、怒りだ。
【『ゲルニカ』と市街戦の写真】【ユダヤ人女性の首や、アウシュビッツ収容所での山積みの遺体】

声を上げるだけではない、激しく、かつ静かな、裾野を広げる、怒り。

もの には、それらを後世に伝える役割も、もちろんある。

写真だけでは何が起きたか分からない場合の、
その時の人々が何を感じ何を思ったのかを伝える、
とてもとても大事な、もの なんだ。

そんな怒りも、喜びも、ただありのままを表現した物も、
時間が経ったらね、
落書きされたことさえも、歴史になる。
【ベルリンの壁】

壊されたこともまた、歴史になる。
【ギリシャやローマの石膏像の、鼻の欠けた像】

日常のありのままを表現した物も、歴史になる。
【洛中洛外図屏風】

なぜ、落書きされたのか。
【ベルリンの壁】

なぜ、壊されたのか。
【ギリシャやローマの石膏像の、鼻の欠けた像】

そうした経歴そのものが、残す価値に繋がることもある。
【ベルリンの壁が壊された時の映像の写真】

誰かにとって素晴らしいものが、
誰かにとって不愉快なものだったりする。

誰かにとってとてもとても大切なものが、
誰かにとってとてもとても嫌いなものだったりする。

だから、
好きか嫌いか、
[ハートを思い浮かべる人の絵とげんなりした表情で×を思い浮かべる人の絵]
きれいか汚いか、
【ヨーロッパの宝石の付いた王冠やアクセサリーの写真・「汚い」の方に、血の付いた軍服】
楽しいかつまらないか、
[ニコニコしている人の絵・頬杖を付き、うたた寝をしている人の絵]
上手か下手か、
【写実的な西洋画・原爆資料館の被爆者の絵】
といった見方は関係なく、残すんだ。

だからこそ、
壊れるのはできるだけ遅らせたい。

わざと壊そうとするなんて、とんでもない。
【モナリザにトマトジュースをかける人の写真】

でも、さっきもいったように、
わざと壊されたり壊されそうになったことも、
時間が経つと、その物の“経歴”になる。

ふしぎだよね。

物は、語らない。

語らないからこそ、本当に多くのことが分かるんだ。
【ニホンオオカミの剥製】【レオポンの剥製】

まるで、語っているかのようにね。

それらは、文明といわれる、おお~きなものもあれば、
【ツタンカーメンのマスク】

とても身近で、私達も関わっていたかもしれないものも、ある。
【福知山脱線事故の記念館】

もしかしたら、今当たり前に君が使っている身近なものが、“文化財”になるかもよ?
[ゲーム機、流行のキャラもの文房具を手にして、じっと見つめる男の子の絵]

裏表紙
[お母さんの目を盗んで、屑籠からゲームのコントローラーを拾って抱える男の子]

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