頑なに
■2024年(両親81歳)
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父 入院14日目 続き(16)
13:30頃 葬儀屋さん到着
真っ黒いスーツ姿の男性と女性が現れ、「この度はご愁傷さまでございます」と頭を下げられる。
表情のない顔。
たいへんな職業だ。
父をストレッチャーに乗せて移動する準備をするとのことで、一旦退室を促される。
デイルームで待機。
旦那さんが、葬儀屋が来たから全部の病室のドアが閉まってると言う。
通路に目を移すと、確かにいつも開け放ってある各病室のドアが全て閉じられている。
何とも異様な雰囲気。
全然気づかなかった。
そういうものなんだなぁ。
準備が整ったようで、個室からストレッチャーで父が運ばれてくる。
父は全身、黒い袋に覆われてファスナーのチャックが締められている。
葬儀屋さんがストレッチャーを移動させて進み始める。
それに続き、我々も付いて行く。
各病室のドアは頑なに閉ざされたまま。