![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/170667640/rectangle_large_type_2_bc835c22a48cef6ad3190c026de5f0b4.png?width=1200)
Photo by
momoro66
いざ外界へ
3/31
単身で訪問 17時過ぎ 続き(1)
スタッフさんにしばしエントランスの外を母と歩きたいと声をかけると、ガラス戸を開錠してくれた。
母といざ外界へ。
外気に触れ、最初の一歩目で若干の立ちすくみはあったものの、するりと外に歩を進められた。
今日はここ一番の暖かさだったので気候もちょうど良い。
尚子「あそこにね、もうすぐ桜が咲くから、そしたらお花見しようね!」
母 「あぁ、お花見いいねぇ。」
尚子「お母さーん! 尚子だよー!」
母 「うふふ、アハハ、ありがとう。」
尚子「お外出る? ほら? あー、風が気持ちいいね。」
母 「うん。気持ちいいね。風が、風が…」
近くて遠い外界。
久々に一緒に外を歩けてものすごく嬉しくなる。
尚子「お母さーん! 会いたかったよー!! 会いたかった。」
母 「良かった。会えて良かったね。」
尚子「どこも痛いとこない?」
母 「ないない、大丈夫。」
尚子「いやぁ、お外久ぶりだね。」
母 「うん。」
尚子「今日は3月の終わりです。」
母 「3月の終わり?」
尚子「うん。もうすぐ4月でね、尚子の誕生日。」
母 「あらま、ほんと?」
尚子「うん。」
母 「ずいぶん大きくなったね。」
尚子「うん。大きくなりましたねぇ。」
母 「なりましたね。」
尚子「お陰様で。」
母 「ふぅん。」
尚子「ここまで育ててくれてありがとう!」
母 「ほんとだね、アハハ。」
尚子「お母さんに感謝してます!」
母 「うぅん、ありがとね。こちらこそありがとう。アハハハ。」
尚子「お父さんも喜んでます! 尚子ですよ。」
母 「尚ちゃんなの?」