起きている顔
■2024年(両親81歳)
1/1 父 入院4日目
元旦に危篤 続き(4)
「今日明日が山場」と言われてもなお、信じられない。
そんなはずあるわけない。
3:30 父と一緒に写真を撮る。
わたしは笑顔を作る。
一向に起きない父。
父の両目の瞼をわたしの指でぴっと上に引っ張り上げ、無理矢理目をこじ開けて写真を撮っている。
父、されるがまま。
父さんごめんね。でも、父さんの起きている顔が見たい。
父の顔を良く見ると、鼻の右の穴に白いプラスチックでできた栓のようなものが詰め込まれている。
そしてその栓のフチに安全ピンが一つ通されている。
なんだこれは?
鼻の下にはガーゼが引かれており、その上から鼻と口を覆うように酸素マスクがつけられている。