「たいへん美味しいです」
■2024年(両親81歳)
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単身で訪問 11:30頃 続き(2)
スタッフさん「淳子さん、ご飯食べますよ。」
母 「はい。」
スタッフさん「今日のおかゆさんはちょうど良い硬さだね。はい、どうぞ。」
母の口が開き、テンポよくおかゆのスプーンが母の口の中に運ばれていく。
そんなに次々に運んでいって大丈夫なのか?
詰まらせやしないかヒヤヒヤするが、さすがは慣れた手つきで大丈夫そうだ。
心なしか、わたしよりスタッフさんの声掛けのほうに母がよく反応している気がして寂しくなり、一生懸命話しかける。
尚子「飲み込めた? お母さん美味しい?」
母 「うん、たいへん美味しいです。」
尚子「あぁ、良かった良かった! もうちょっと食べるかな?」
スタッフさんに代わり、わたしも再度母の口元に恐る恐るスプーンを近づけると、ちゃんと口を開けて食べてくれた。
口を閉じ、顎を上下に動かし、ちゃんと咀嚼している。
そして、今度こそは喉元がゴクリと動いて飲み込んだのを確認する。
おかゆに続き、一体なんの食材か分からないムース食や栄養ドリンクのコップも試してみると、母は調子良く口を開いてくれた。
少しづつではあるが、何とか食事ができることが分かって良かった。