ラ~ラ~ラ~
■2024年(両親81歳)
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父 入院11日目 続き(1)
父のものすごい形相を目の当たりにし、姉と二人で立ち尽くす。
いくらか顔の力が抜けてきたかなと思ったら、
「ラ~ラ~ラ~」
と、突然歌い出す!!
びっくり!
父はまるで付き物が落ちたかのように表情がやわらぎ、目をぱちくりとさせながら、確かに歌った。
「歌ってるー!!」と、姉と二人で安堵し、張りつめていた空気がほっとほぐれる。
父の頭の中の世界を共有したい。
どんなシチュエーションで歌う運びになったのだろうか!
父は歌い終えた後、何かしゃべる。
語りかけには反応薄。
父のおでこに触ると、これまでよりやや冷たい気がする。
足のふくらはぎが日増しに細くなっている。
お腹、胸はぺっちゃんこ。
右手の親指は紫色。
とにかく、あの恐ろしい形相を吹き飛ばすほどの歌が聞けてほっとする。