お疲れさまでした
■2024年(両親81歳)
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父 入院13日目 続き(11)
10:16
医師は父の死亡確認を至って業務的に行い、終えるとすっと退室していった。
残された姉とわたし。
改めて父と対峙する。
父は口を半開きの状態でフリーズ。
やや微笑んでいるかに見えるほどの穏やかな表情をしている。
姉が、父の開いている口を閉じようとするも、また開いてしまう。
鼻の両穴に詰められた真っ赤に染まった脱脂綿だけが痛々しい。
茫然としつつも、父と一緒に写真を撮る。
写真に写る自分の顔はなるべく笑顔で、明るい表情を努める。
「お父さん、お疲れさま!! 本当にお疲れさまでした!!」
笑顔を崩さぬよう努めるも、涙が出る。
父の頭、身体、手足、上から下まで撫でる。撫でまくる。
父は本当に穏やかな表情。
まだ生きているみたいで信じられない。
全ての負担から解放されて、余計な力が抜け切って、とても良い表情をしている。
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