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父の痕跡

■2024年(両親81歳) 

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ケアマネージャーさんと別荘に戻る。

今回の入院を受け、母の介護認定を見直した方が良いということになり、
現状の要介護3から4に申請するための申請書類を記入する。

いつぶりかに居室に寄ると、父のベッドが見事になくなっていた。
いっそうガランとしている。
ドア入口の見守りカメラも撤去されていた。

トイレの壁に空いた穴がくっきりと際立って見える。
今となっては思い出だ。

水道の蛇口のぐるぐる巻きテープもそのままになっていたので、剥がす。
もう危険なことは起こらないだろう。
久々に水場が使えるようになった。

居室に残っていた父の痕跡が次々と消されていく。

父の衣類はそのままにしている。
まだ手を付ける気にならない。

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