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momoro66
火葬
■2024年(両親81歳)
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父 火葬の日 続き(1)
それからどのぐらい時間が経ったのか、気づけばみんな棺からは離れて後ろの方にいた。
そうか、あとはわたしだけということか。
スタッフさんに、「もう大丈夫です」と告げる。
すると男性職員が現れ、淡々と執り行いの手順を踏み始める。
火葬炉の扉が開く。
薄暗い闇には、レールのようなものが見える。
父の棺は蓋が閉められ、その闇の中に確かに突っ込まれていく。
お父さん! お父さん! お父さん!!!!!
扉が閉まる。
ぐぅぐふふふぅぅ
自分でも聞いたことのない地響きのような音が、喉の奥から込み上げてきた。
わたしの踏ん張って地に立つ音だ。
どうしようもないことを受け止めるのに、全身全霊の力を要した。