湯船でハーモニカ
■2024年(両親81歳)
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火葬後、我が家に持ち帰った父の骨壺。
取り急ぎ玄関で使っていたチェストをリビングに持ってきて、その上に飾った。
周りが殺風景で淋しいので、壁に父の写真を貼る。
せっかくだからたくさん貼って賑やかにしようと、昔の写真も引っ張り出して方々に貼る。
即席で父のコーナーが出来上がった。
夕方、娘たちをお風呂に入れる際、二女が「これ持ってっていい?」と、父のハーモニカを手に聞いてきた。
「お、いいね! お風呂で吹こうか!」
いそいそとお風呂にハーモニカを持ち込み、湯船のなかで娘たちと一緒に父のハーモニカを吹いてみる。
「みかんの花咲く丘」、「どんぐりころころ」、「大きな栗の木の下で」、「うみ」、「チューリップ」など、父の思い出の曲を選曲する。
お風呂の中で、程よく音が響いて良い感じ。
別荘に娘たちを連れて行くと、父はいつも「今は小学校で(まだ保育園だと何度説明してもダメだった)どんな歌を歌ってるの?」と娘たちに聞いてきて、歌をリクエストすると、「よし! 分かった!」と言って嬉しそうに、得意気にハーモニカを披露してくれたものだ。
父も喜んでいることだろう。