生態系から考える栽培
このnoteをご覧頂きありがとうございます。
前回の記事では、超大枠の理論として、肥料のことや森は肥料がなくても育つことについて述べさせて頂きました。
今回は生態系理論(エコロジカルセオリー)における2つの生態系、
【生物生態系】と【環境生態系】について簡単に説明させて頂きます。
【生態系】
そもそも生態系って何??
ぼんやりとは理解しているけど、具体的にわからない。
おそらく、ほとんどの方が「生態系」という言葉に対してこんな認識だと思います。
学校の授業で生態系という言葉で学んだものは生態系ピラミッドかもしれません。
下図のように、人間が頂点の捕食者で底辺に植物がいるものを見たことがないでしょうか。
この図のような意識こそが植物は人間が育て食すもの、
草食動物だろうが肉食動物だろうが、人間の食糧という認識になってしまっているのかもしれません。
我々が提唱する生態系理論(エコロジカルセオリー)では、生態系の頂点に人間が存在するという考え方ではなく、あくまでも人間は動物の一員であり、生態系の一部に過ぎないという考え方になります。
生態系とは、地球上に存在する全ての生物とそれを取り巻く環境との関係性であり、生物同士の関係性を「生物生態系」、環境同士の関係性を「環境生態系」と言ったりします。
【生物生態系】
地球上に存在する生命体全てのことを生物と呼びますが、大きく分けて3つに分類されます。
植物
微生物
動物(昆虫含む)
この3者の生物たち、全く違う存在のように思えて、
実は同じ目的をもっており、その目的を達成するために協力関係を結んでいるんです。
それは何かというと
「子孫を残すこと」
このことを意識すると、
なぜ人や動物だけでなく、植物にも病気が蔓延してしまうのかがわかります。
生態系において3者の生物はこのように呼ばれます。
植物のことを「生産者」
微生物のことを「分解者」
動物のことを「消費者」
簡単に説明すると、
植物(生産者)が生み出したエネルギーや物質を微生物(分解者)や動物(消費者)が子孫を残すために活用し、
微生物や動物はエネルギーを頂いたお返しに、植物が子孫を残すためのお手伝いをしますよ、というお話。
具体的な説明は「光合成で栽培は決まる」という記事にて後日述べていきたいと思います。
このように、生物同士は本来協力関係を持ち、お互いの子孫繁栄のために助け合いましょうねという状態が整った生態系で良い関係性なんです。
これは生物同士だけでなく、環境生態系においても同じことが言えます。
では、環境における良い状態とはどんなものでしょう。
【環境生態系】
環境を構築する要素として、前回の「野菜づくりに肥料はいらない!」の記事において最後に述べた3つの要素があります。
土
水
光(空気)
この3つです。
植物がエネルギーを生産する起点として、
【土】に根を張り、芽を出し、【光】を浴びて成長し、【水】を得て大きくなります。
環境が整った状態で植物が成長すると、生物生態系も整っていきます。
逆に環境が崩れた状態だと生物生態系も崩れてしまいます。
環境が整った状態とはどういう状態かというと、
【光】が適度に降り注ぎ、【土】にいる生物が活性化し、【水】が綺麗に維持された状態です。
しかし、現代社会において良い環境に整っているとは言い難い状態です。
様々な要因はあるものの、端的に述べると
世界的な人口の増加や工業の発展によって二酸化炭素の排出量が増加。
オゾン層の破壊の影響もあり紫外線が強くなりすぎた【光】に。
逆に天候不順による長期的な豪雨や曇天による【光】不足も発生。
工業の発展に伴う化学物質の排出増加や農薬散布、土壌消毒などによって【土】が荒廃。
【水】も化学物質と水蒸気の結合で酸性雨となり、さらに土壌消毒や化学物質の流入によってミネラルが消失し、ここでも土壌の荒廃を引き起こしている状態に。
こんな環境の状態で果たして生態系が整っていると呼べるのかというとかなり疑問に感じます。
【農業における4つの課題】
生態系理論(エコロジカルセオリー)において考えるべきポイントは
上記で述べたそれぞれの生態系の関係性を鑑みて、どこに問題があり、どこを整えると良いのかというところです。
農業という点で考えると4つの課題を解決する必要があると思っています。
大気汚染による【光合成の阻害】
化成肥料や農薬による【微生物の死滅】
酸性雨や土壌消毒による【ミネラル流出】
慣行栽培による【有機物不足】
このポイントを解決できれば、肥料なし、農薬なしでの栽培は可能となります。
今回、生態系から見た大枠の理論を述べて参りましたが、
次回からは生態系理論におけるそれぞれのカテゴリーに基づいて、4つの課題とその関係性、理論、解決方法などを述べていきたいと思います。
【土】
【水】
【光】
【植物】
【微生物】
【動物】
ここまでお読み頂きありがとうございました。
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