『ぴぷる』 原田まりる KADOKAWA
人間型AIロボット、いや、人型汎用AIと結婚する話だ。AIの名は「ぴぷる」。
原田まりる、という作者を知らずに、途中まで読みかけて、作者は男性だろうと思った。登場人物の独白を読んでそう思ってしまうぐらい、ピプルを巡る人々の心理の変化がリアルに描かれているのだ。時にはその二重人格性に至るまで。
ストーリーの展開は緩やかで、心理を描くという性質上、独白が多いのだが、退屈しない。最後の30ページほどで意外な展開となり、積み重ねた心理描写は人間そのものに対する考察だったことを示