法然上人と親鸞聖人
浄土宗西山禅林寺派のご本山 永観堂禅林寺にて、
法然上人 立教開宗850年記念の法要に
お参りしてきました。
極楽浄土を彷彿とさせるプロジェクションマッピングや、
記念法要・お能の上演があって、
どれも圧巻でした。
今日のテーマは、法然上人と親鸞聖人です。
法然上人は浄土宗開祖、
親鸞聖人は浄土真宗開祖。
法然上人は親鸞聖人の師匠でもあり、
浄土真宗の僧侶として
その教えをきちんと学ぶべき大事なお方です。
七高僧
浄土真宗の寺院には「七高僧」の御影が掛けられています。
(訪問された際にはぜひご覧ください)
法然上人は、この「七高僧」(御影右下)のうちのお一人です。
親鸞聖人は、
独自の教えを説かれたわけではなく、
インド・中国・日本の7人の高僧方を中心に据えて
浄土真宗を組み立てられています。
さらに、浄土真宗でお馴染み『正信偈(しょうしんげ)』には、
というように結ばれていることからも、
そのことがよく分かります。
法然上人
法然上人は、1133年美作国でお生まれになりました。
平安末期の戦乱の世、夜討ちを受けた父上の遺言で
出家することを決意されます。9歳の頃です。
15歳のとき、
当時の仏教の中心であった比叡山延暦寺へ送り出され、
天台宗の僧侶となられました。
仏教の理解を深めつつも、
戦乱で荒廃した時代に仏教の難解な教えはふさわしいのかと
疑問を持ち、真実の教えを探し続けられました。
あらゆる仏教聖典を読んで、
ついに善導大師の念仏の教えに出会い、
43歳で比叡山を下りる決意されます。
そして、京都東山の吉水に草庵を結んで
念佛の教えを弘められました。
親鸞聖人も吉水の草庵に入り、
法然上人の弟子となられました。
御功績
法然上人の1番の御功績は、
浄土教を独立させられたことです。
それまで、
念仏を称えて極楽に往生する教えはあったものの、
念仏は修行の一部であって中心ではありませんでした。
言わば、念仏は「付け足し」のような存在で、
天台宗などでは、他の修行+念仏とされていました。
法然上人は、
「念仏を中心に据えて、専ら念仏を称える」
浄土宗として独立させられたのです。
念仏が「付け足し」ではなく、
「1番大事」なことになったわけです。
浄土宗と浄土真宗のちがい
「浄土宗と浄土真宗は何が違うのですか?」
と尋ねられることがあります。
一言で言うと、
「法然上人の教えの受け取り方が違う」
と私は捉えています。
法然上人が亡くなられた後、
その教義は、西山・鎮西・九品寺・長楽寺などに分かれ、
浄土真宗もその1つです。
いかがだったでしょうか。
浄土真宗の僧侶をしていると、
「親鸞聖人一色」になりがちです。
法然上人の法要をきっかけに、
改めて浄土教の長い歴史と奥深さに触れることができました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵な1日をお過ごしください。
※参考
浄土宗公式サイト https://jodo.or.jp/