シェア
金とき
2020年10月10日 20:24
とろっとしたオレンジ色の光の中で、真っ赤な口紅のついたストローを掻き回しながら頬杖をついている。汗をかいたコカ・コーラのグラスに入れすぎた氷がぶつかって、カラカラと軽快に鳴る。だいぶ色の落ちた唇を尖らせながら、目を伏せたままの彼女が言う。「ここにファミレスあって良かったよね」 通っている塾から歩いて五分もかからず、しかも駅前から少し逸れたところにあって空いているので、僕たちは毎日のように