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便利すぎる世の中が怖い

【私たちが今、置かれている状況】

私たちは便利な時代を生きている。

スマホ一つでいろんなことができる。メッセージのやりとり、通話、写真を撮る、そしてそれをSNSにアップして人からの反応を得る。

誰かから反応を得ると、人間は快感を感じる。人は新しい情報を入手したり何かに興味をもつきっかけを与えられると、脳内から「ドーパミン」という神経伝達物質を分泌する。(参考:アンデシュ・ハンセン氏『スマホ脳』)

「もしかしたら、いいねがきているかもしれない」

「もしかしたら返事が来ているかもしれない」

「もしかしたら大事なニュースがあるかもしれない」

こんな感じでスマホを無意識にチェックしていることはないだろうか。

私は無意識のうちにやっていた。講義中も、移動中も、犬の散歩中も。何か「退屈だな」と感じる瞬間があると、まずはスマホをチェックしていた。

今まではなんとも思わずにこんな感じで生活していたが、ある日突然、違和感を感じた。何かきっかけがあったわけではなく、急に違和感を感じた。「スマホに囚われている。。。?」と。


【なぜ便利なモノが増えていくのか】

便利なモノが増えていくこと自体はすごく良いことだと思うし、今日までの歴史の流れを辿ると、モノがどんどん進化していっているのがわかる。

便利なモノが生まれる背景には「不便だな」「手間がかかるな」といったきっかけがあると感じている。それを解消するための方法を考え、実現させるにはどのようなシステムや道具が必要なのかを検討していき、「快適・安楽」が手に入るわけ。

人間は皆、なるべくストレスを減らして生きていきたいものだろう。だから、便利なものが増えてくことは自然なことだと思う。


【便利≠快適・安楽】

でも、私たちは「快適・安楽」を手に入れると同時に「耐性」を捨てていることになるのではないかと感じることがここ最近多い。

一昔前のことを思い出して欲しい。日本人の「がむしゃら精神」的なものがあったような。社会の理不尽に耐え、国のために、家族のために働き時に命を捨てる...。歴史の教科書を読めばわかる。そしてこう思うのではないだろうか。

今の私たちは絶対にこの時代で生きるなんて無理

快適さ」を求めすぎるあまり、「苦労」を体感する機会は過去と比べると圧倒的に少なくなっている。それによって私たちの「耐性」はどんどん薄れていっているのではないかと感じている。

もちろん、時代が進むにつれてモノは進化していくし人々の考え方も変化してくる。でも、この進化や変化の過程で一番怖いのが「快適・安楽」に依存してしまうこと。

先に述べたように、私たちがスマホをチェックする時は「退屈だな」と感じるタイミングが多いのではないだろうか。重要なやりとりをしている時も常に通知を気にしなければならないが、今回はそのような場合は除いた話。

私は「退屈だな」と感じる「不快感」を解消するためにスマホをチェックしているのだと思う。人それぞれ意見はあるかもしれないけれども、私自身がそうだと思う。


【SNSという麻薬】

それはつまり、SNSという仮想空間に依存していることなのではないだろうか。

耐性が薄れているがために、「退屈」を避けるためにはどうすればよいのかといった現実的な解決策を考える前にとりあえずスマホをチェックする。

人は新しい情報を取得すると脳からドーパミンが分泌され快感を得る。すると、またその快感を得たいがためにスマホに没頭する...。気付いたら夜が明けて朝になっていて「ああ今日も眠れなかった」なんて経験をした人は多いのではないだろうか。

でもチェックした先にあるのは「〇〇達成しました」「〇〇合格しました」「結婚しました」「○ヶ月記念」など。人々の自慢であふれている。

自分が感じている喜びや幸福感を誰かに共感してもらいたいと思ったり、分かち合いたいと思うことは人間誰しもが抱いていると思う。それを発信すること自体が悪いといっているわけではない。私もやったことがあるし、今も無意識に投稿しているかもしれない。でも、「退屈だな」と思う時にその情報を目にすると人はどうなるだろう。

私は「あなたよりも私のほうが充実しているわよ」「あなたよりも私のほうがすごいわよ」と言われているような感覚に陥る。十人いれば十通りの感覚がある。考えすぎかもしれないが、これは私が感じている感覚なので、間違っているとかそういう問題ではないと思う。

便利なモノに依存することによって貴重な時間を吸い取られ、その結果日中の生産性が低下する...。これは「快適・安楽」なのだろうか。私は違うと思う。


【怖いなら工夫をしよう】

しかし今の時代、SNSは必須だ。家族と連絡を取るのもSNS。友人や恋人と連絡を取るのもSNS。そしてSNSを通して新たな出会いが生まれる時代でもある。

そしてコロナ禍。人と気楽に会ったりすることができない状況だからこそSNSを介した交流というものは、完全に私たちの生活の一部になっている。

たまにはSNSから離れることも大事だろう。「SNS疲れ」という言葉が生まれている今、仮想空間から離れて現実や自分と向き合う時間を作ることはすごく大切なことだと思う。

それと、SNSと上手に付き合っていくにはiphoneであればスクリーンタイム機能の使用が効果的だと感じている。

スクリーンタイムを使用すれば

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こんな感じでiphoneがスマホの使用状況についてレポートしてくれる。そして、アプリの使用時間に制限を設けることもできる。


少しずつでいいから色々工夫して、この時代に存在している「便利なモノ」を上手く活用できるようになりたい。他人と比べることなく、自分軸で生きていけたらいいなと思う。

そして、便利なモノに頼りすぎず、自分にとっての本当の「快適・安楽」は何なのかを探して生活の質を上げていきたい。

でも便利なモノは怖いです。




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