日曜日、ヒーローが僕らの町へやってきた
3歳息子とショッピングモールでお買い物
えーっと今日は、、
スリコ(3coins)でおもちゃの収納を買って
トースターが壊れたからそれも探したいな
ついでに夜ご飯の買い物もしちゃおっか〜
などと考えながら歩いていると
ピンポンパンポ〜ン♪
「ご来店のお客様にお知らせです。本日15時からのアンパンマンとの握手、撮影会の整理券は14時30分からの配布となります。」
アンパンマンと握手だと!?!?!?
わざわざ都会のアンパンマンミュージアムに数時間かけて出かけなくても、こんなド田舎のショッピングモールでたまたまアンパンマンに会える!?
そんな奇跡があっていいのか!?!?
子どもたちから絶大な人気を誇る正義のヒーロー
3歳息子も例外ではなく、いつからか記憶にないくらいアンパンマンの大ファンだった
そしてわたしたち親もまた、敬意を表して“アンパンマンさん”とお呼びしたいくらいの、それはそれは偉大な存在だった
車で待機していた旦那にすぐに連絡を!!
私「ちょっと!アンパンマンに会えるらしいよ!?どうする!?」
旦那「なにっ!行くしかねぇだろ」
買い物と時間潰しにぷらぷらしに来た
だらけきった夫婦はもうそこにはいなかった
なんとしても息子をアンパンマンに会わせてやりたい、、!
まるで水を得た魚のように(ということわざはまさにこんな時に使うんだな)アンパンマンの待つ東館2階へ、大股で歩いた
サービスカウンターのお姉さんに聞くと
前回の握手会の整理券は配布開始10分でなくなったというではないか
現在時刻は13:50
大股の夫婦はさらに大股で会場へ急いだ
会場に着くと、もうすでに10組ほどの列ができていた
どうやらこの列にあと1時間以上並び続ける必要があるらしい
暴れ馬で有名な3歳息子がここで1時間、、
待てないな、、
水を得た夫婦は日頃培ってきた子育ての知恵を振り絞り、この日のために鍛え上げたチームワークを活かし、瞬時に作戦を立てた
交代で列に並びながら
3歳息子を飽きさせないように近くのおもちゃ売り場を徘徊し
常に集中力を切らさぬよう
ただひたすら、その時を待った
、、、そして15:00を知らせる鐘がなる
ついにその時がきたのだ
人混みの中、ヒーローは颯爽と歩いて現れた
私「あ!!みて!!アンパンマンだよ!」
旦那「おお!!歩いてる!!」
(なんだその感想)
3歳息子は、無言でヒーローを見つめていた
直前までだっこだっこと駄々をこねていた3歳息子だったが
憧れのヒーローに優しく手を差し伸べられ
自らの足で駆け寄り、手を伸ばした
夢のような時間はあっという間だった
「ありがとうございました」
夫婦はアンパンマンにお礼を言って、その場を後にした
私「アンパンマンだったねぇ。初めて会えたねぇ。どうだった?」
息子「うん。おもったよりも、でっかかったねぇ。絵本ではもうすこしちいさいんだけど。」
、、、いいんだいいんだ
アンパンマンと夢と希望なんて大きければ大きいほどいいんだから
夫婦は疲れきっていた
でも、とても心地よい疲れだった
疲れたからトースターは買えなかった
もうどうでもよかった
明日の朝のパンは温められないけれど
心はこんなにもあったかい
そんな日曜日だった