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デジタルマーケティング戦略立案のすゝめ〜事前キャッチアップとゴール明確化の方法〜

こんにちは、Media Theaterの柳瀬(@theater_media)です。
デジタルマーケティングの戦略立案から、Webサイト・LPのCVR改善などの実行支援までしております。
また、マーケティング未経験でも体型的にデジタルマーケティングの知識を得て、スキルアップしてもらうための活動にも注力しており、社外での研修講師や、日経ビジネススクールで「デジタルマーケティング戦略立案講座」を展開しております。

今回はデジタルマーケティング戦略立案における、事前準備・事前の情報収集手法について共有いたします。


戦略立案のためには、「目的・目標・方針」のキャッチアップせよ!

デジタルマーケティングの戦略立案する際には、前提として経営やマーケティング全体の戦略・方針をキャッチアップすることが必要です。

経営や事業、マーケティング戦略といった全社の方向性をまず理解することで、デジタルマーケティングで達成すべきゴールやクリアすべき課題を正しく捉えることができます。
キャッチアップをしていく中で、もし明確な経営・事業課題があれば、それに向かって純粋にデジタルマーケティングでやるべきことを考えていくのが良いでしょう。

そして、このようなステップは、「トップダウン式」ということもできます。

トップダウン式で確認することは、

  • 経営・事業方針

  • 事業領域の売上目標・戦略目標

  • マーケティングの全体戦略

  • デジタル経由での売上目標・戦略目標

などです。

特に事業領域の戦略目標や、マーケティングの全体戦略がある場合は、その目標や戦略を理解した上で、ブレイクダウンされたデジタルマーケティングに求められる役割、目的・ゴールなどを捉える必要があります。

一方、もし明確な目標やゴールがなかった場合には、「ボトムアップ式」のアプローチが必要です。

トップダウン式が、より上位の上流の戦略からブレイクダウンしていく考え方なのに対して、ボトムアップ式は、具体的な課題解決アプローチ・施策から積み上げていく方式といえます。
現状の課題を分析し、その課題をクリアするような目標を置くやり方です。

実際には、トップダウンとボトムアップの両方の要素をかけあわせたような状態になることが多いです。

今考えていることは、トップダウンなのか、それともボトムアップの思考なのかを客観的に理解することで、モヤモヤと思考が停滞することを防ぎ、クリアな論理構成で目的・ゴールを定義することができます。

キャッチアップの方法と関係者ヒアリング先


それでは、経営・マーケティング方針のキャッチアップ方法についてご説明します。

こちらが、方針キャッチアップ方法と関係者ヒアリング先です。

方針キャッチアップの方法と関係者ヒアリング先

キャッチアップ方法において、特に各部署の「関係者ヒアリング」をすることをオススメしています。

例えば、中期経営計画をインプットしたうえで、マネジメント層にデジタルマーケティングへの期待や求めることなどをヒアリングすることは有効です。
さらに、マネジメント層だけでなく、全社のマーケティング担当・営業担当・カスタマー担当にも話を聞いてみましょう。
これらのインプットから、マネジメントの目線と、現場での課題感の両方を知ることができます。
また、営業担当やカスタマー担当へのヒアリングでは、顧客理解を深めることができます。

また、過去のリサー結果、過去資料をインプットすることも重要です。
特に、事業領域のマーケティング部署がリサーチしてきた資料は、市場や顧客に関する情報や、過去のマーケティング施策に対しての洞察なども記載されていることもあるので有益な情報です。

普段からキャッチアップしている方でしたら問題ありませんが、目的・ゴールの設定に関する重要なステップですので、多少やりずらさや手間がかかったとしても、一歩踏み込んで実施することをオススメいたします。

社内へのヒアリングだと、忙しい中申し訳ない、無駄な時間にならないか、など心配になることも多いと思いますが、会社のために本気で向き合っていることが伝われば、相手も協力したい、嬉しいと感じるはずです。
誠意をもって真摯に行なっていくことが重要です。

戦略立案のための「ビジネスゴール」の明確化

では、なぜ経営・マーケティング方針のキャッチアップのためのヒアリングが重要なのか?
それは、ビジネスゴールと現状とのGAPを正しく把握するためです。

戦略は、ゴールと現状のGAPを把握して、解決すべき課題をどうやってクリアしていくかという解決策を導くことです。
そのため、戦略立案においてビジネスゴールの明確化は非常に重要なポイントです。
ゴールと現状を把握できれば、GAP、つまり課題が明確になってくるのです。

例えば、業界トップになるために売上2倍にするといった「大きな目標」なのか、今期は売上目標が110%といった「現実的な目標」なのか、そもそも検討すべき戦略やそれに紐づく施策は全く変わります。

ここで、ゴールと課題が明確である場合の例を紹介します。

某BtoB向けのメーカーにおいて、テレアポで商談することに力を入れており、現状では「業界4位」。
ただ、テレアポで獲得できる層には限りがあり、「業界トップ」は成り行きでは難しい状況。
もちろん、業界トップになるために、新しい顧客獲得チャネルを開拓することは経営課題としても重要なテーマでした。
そこで、「来期は新規チャネルを開拓し、受注数を前期比120%を目指す」という明確な目標が定まりました。

そうなると、これらの経営課題をデジタルマーケティングでどのように解決するか?が重要な論点になります。
このレベルでゴールが設定されるだけでも、顧客獲得チャネルの現状を把握したり、競合他社や成功事例などを調査したりで、やるべきことや解決策もクリアになっていきます。
「業界トップを目指すために、受注数を前期比120%を目指す」のであれば、今アプローチできてない集客チャネルにも取り組む必要があるといった具合に、それに準じた目線になってきます。

このように、ゴール定義によって方向性・指針が変わるので、この工程は非常に重要なのです。

ちなみに、『イシューからはじめよ』という安宅和人(あたか かずと)さんの有名なビジネス書があります。
まさに、ここで書かれている「イシューを明確にする」ことは、戦略立案にとって必要不可欠なことです。

イシューからはじめよ

戦略を考えようとした時に、よくやりがちなのは、先にソリューションを考えて質をあげようとしてしまうこと。
デジタルマーケティングでいうと、手法やその施策内容ばかりに時間をかけてしまうことです。
これを「犬の道」といいます。

そもそも何が課題で、どこにどう手をつけていくべきなのか?と言う問いを飛ばしてはいけません。
順番としては、①イシューを見極める、つまり課題の質を高めてから、②ソリューションの質に取り組んでいくべきです。

ついつい急いで、思いつきのアイデアや施策に飛びつきたくなりますが、しっかりと課題の質を高めることをまず意識しましょう。

売上拡大の方向性を優先度に落とす

ただ、実際には、デジタルマーケティングの目的・目標・方針、ビジネスゴールが明確になっていないケースは多いです。

その際は、売上拡大の方向性、つまり「短期の売上獲得なのか、中長期の売上づくりなのか」といった優先度をマネジメント層や各関係部署などとすり合わせすることをオススメします。

売上拡大の優先度

このすり合わせができると、短期的に売上を伸ばすのであれば、刈り取り施策と呼ばれるような獲得重視の施策になりますし、中長期の目線での売上作りでは、潜在顧客の育成などの啓蒙的な施策も視野に入ってくるでしょう。
他にも、関係性重視のCRM施策や、認知度アップ施策なども検討しなければならない!といった方向性が見えてきます。

短期的な売上と長期的な売上、どのようなバランスで考えるのかを、最初にすり合わせをすることが重要になります。

いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した「目的・目標・方針」や「ビジネスゴール」が明確化していないと、今後の戦略立案に大きくブレが生じてしまったり、社内での合意が取りにくかったりするので、ぜひじっくりと取り組んでみましょう。

最後に。日経ビジネススクールの講座紹介

日経ビジネススクールのオンデマンド動画講座では、「デジタルマーケティング戦略立案」について、より詳細を解説しております。
デジタルマーケティング戦略立案において、概念的な基礎知識だけなく、実践的で再現性の高い「戦略立案方法」を解説しております。
ご興味があれば是非試聴してみてください!


講座の想い
「未経験でもデジタルマーケティングを活用してもらいたい!」

私自身は、営業出身で新規開拓営業からソリューション営業まで多くの企業様への営業経験をさせてもらい、そこで強烈に感じたのは、ほぼ100%に近いクライアントがデジタルマーケティングに課題を感じており、「事業を生かすも殺すも、デジタルマーケティングをものにできるか否か」といった現実でした。
そこから、デジタルマーケティングの必要性を強く感じ、未経験でデジタルマーケティングのコンサルティング業に思い切って転身。
そして、BtoC、BtoB問わず、大手企業からベンチャー企業までデジタルマーケティングを活用した事業成長支援を、通常の倍速以上で濃縮に経験させていただいております。
もちろん、クライアントへバリューを提供するために、ご飯を食べるように書籍や動画など、デジマケ関連の情報は読み漁りました。
そこで感じたのは、WEB広告、SEO、SNS、LP改善などなどなど施策単位のナレッジ・方法論は人生賭けても読みきれない程解説されていますが、「何をすべきか?」の戦略的な問いに対して理解することが難しいと感じました。
というのも、デジタルマーケティングは、「施策メニューが多い!分析データ量も多い!」と「忙殺の沼」にハマるといった落とし穴が多いからです。

今回の日経ビジネスクールの講座は、デジタルマーケティングは何から始めるべきか?といった問いに対して、「顧客文脈」と「競争環境」から紐解いていけるように解説した講座になります。
デジタルマーケティング特有の横文字が多いのはご容赦いただきたいのですが、デジタルマーケティングに関わる方には、お役に立てる講座です!
僕自身がそうであったように、未経験でも体系的に理解できるように、出来る限り解説しております。
是非、ご興味あればご試聴ください。拡散も嬉しいです。

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