「すきやきの黄金体験(ゴールドエクスペリエンス)」と「鶏すきやき」
今から鍋の世界の「暗黙のタブー」に触れます。
ふう、いいですか。一度しか言いませんよ。
「すきやきは最初のひとくちだけで良い。」
ああ、すっきりした。
(万が一、私が消息不明になった場合には「すきやき会」という組織の鍋奉行たちによって拐われたと疑って欲しい。)
だって、食事の幕が開いたと思ったら、
「牛肉」「上白糖」「醤油」「新鮮生卵」ですよ!
寄席でしょっぱな「真打」が登場するようなものですからね。(または、サマソニの朝いちでレッチリ登場。)
インパクト強すぎでしょう。
牛肉が上質であればあるほど、その後のお豆腐やお野菜がボンヤリかすんで、かすんで、かすみゆく。僕らはかすみを食す仙人ですか。
しかも僕らが歩を進めるのは、
味変なき「あまから割りした街道」。どこまでも変わらぬ景色に意識がもうろうとしはじめて、
「さてはて、拙者はいま食べているのか、それとも食べていないのか。よもや、食べられているのか。」と、五里霧中をさまよう事に。
しかし、
それでも食べたい、それでも食べたい。
後がどうなったっていい!
世界がどうなったっていい!
あまからく焦がした牛肉を生卵ごとじゅるっとすすり上げたい!
と、狂おしいまでに人を惹きつける魔性を宿した鍋料理、それが「すきやき」であり、
その「最初のひとくち」はまさに「黄金体験(ゴールドエクスペリエンス)」なのである。
(とは言いつつ焼き豆腐も春菊もしらたきも大好きだから、ハフハフうまいうまい言って食べるんですけどね。人間とはかくも矛盾を抱えた生き物です。)
さて、与太もほどほどに料理の話をしましょう。
すきやきつながりですが「鶏のすきやき」って食べられたことありますでしょうか。
要はすきやきのお肉を鶏肉に置き換えただけなのですが、これがなかなかにイケる。牛肉よりライトで、親子丼的なウマさ。
あまから味の鶏は日本酒に相性抜群。(ビールも良い)キレのあるシャープな純米吟醸、米の旨味を感じる純米酒、どちらもいいですなあ。
ここで飲み助さん必見!「鶏のすきやき」をさらに日本酒にグッと寄せる裏技を。
生卵につけるのではなく「かぼすを絞って食べる」
コレ、相当いいですよ。柑橘の爽やかな香りと酸味が「鍋」と「日本酒」の虹の架け橋になります。
チキンラヴァーにも飲み助さんにも大変オススメ。
是非お試しくださいませ。
最後に「本日のグッドニュース」を。
「珍しい巻き貝、見つけた!! 城北小の女子児童 殻全体が朱色「アカニシ」変異体」(熊本日日新聞)
アルビノを超える珍しさ。ロマンがありますなあ。
それでは、また明日。