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ボリート

肉塊の調理は男子の夢。男の夢、北島三郎。孫悟空に憧れたあの日から幾年重ねても心躍るものであります。ということで、本日は簡単迫力肉料理をご紹介。(あたかも自分が開発した、みたいな顔をして書いておりますが元はdancyuさんのレシピです。寛容な心でお読みいただけたらこれ幸い。)

さあ、近所の精肉にやたら強いスーパーで牛の肉塊1〜2kgを買ってきましょう。帰宅したらはやる心を落ち着けて鍋に水を張りドボンと入れ、蛇口をひねり30分くらい流水にさらします。にんにくと生姜を2片ずつ加えて中火にかけ、灰汁を取りながら水面がぐらぐら揺れる程度の火力に調節しながら煮ていきましょう。肉の大きさによりますが60〜90分したら火を止め、冷めたら完成。鬼シンプル。なんという手のかからない子でしょうか。

すっかり男前になった褐色の肉塊を食べやすい大きさに切り出したら青唐辛子と醤油、オリーブオイルとポン酢、岩塩と粒マスタード、実山椒の醤油漬けなど各々得意とするスタイルでいただきましょう。本場ではサルサヴェルデ(パセリやケイパーなどで作る緑色の洒落ソース)を付けますが、たいていの調味料とは相性がよいので余り細かいことは考えず、寛容な心でモシャモシャ食べるのが良いかと思います。前に紹介した「かんずり」や「柚子胡椒」も抜群のパフォーマンスを発揮しますよ。

お酒は調味料に合わせて何でも飲みましょう。ビール、ワイン、日本酒。山椒や柑橘の香るジンやスピリッツの炭酸割りなんかも最高。酒池肉林タイムを存分に楽しみましょう。

さて余った肉と煮汁。これを捨てちゃなりません。この料理は翌朝のアウトロが秀逸なのです。肉を一口大に切り煮汁に戻して白米をふたつまみと塩ひとつまみを加えてじっくりコトコト煮ればコムタンスープの完成。爽やかな香りの草とごま油をお好みで。これが酒池肉林タイムをくぐり抜けた青色吐息の胃や肝臓たちに大変よく染むのです。むせび泣く旨さ。

ぜひお試しください。

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