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野猫ブラザーズ通信〜その4〜
今年の寒さは厳しいものになるらしい。というか、すでに厳しい。先日の寒波の時など、海側からビュンビュンと雪を伴った暴風が吹き荒れ、暖房を焚いているにも関わらず胴震いを起こすほどであった。
あの野猫たちはどうしているのだろうか。いかに体毛が多いとは言え、雪に埋もれてしまってはひとたまりもないだろう。気になったので様子を見に行ってきた。
不定期でお届けしている「野猫ブラザーズ通信」の第4回目。以前の通信も気になるという奇特な方がいらしたら、以下よりご覧いただけます。
さて、いつもの川沿いの道に出ると、早速いた。
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生きてた。
あの寒波を乗り越えていたのだ。無事で何より。
気になるのは、前回に見た時と比べて明らかに体が膨らんでいること。むくむくとして、首がない。まるでダウンジャケットを着て、子供のサッカーの試合を見る親みたいなスタイル。野生の猫は冬の寒さに備えて脂肪を蓄える習性でもあるんだろうか。つい、口に出して聞いてみたのだ。
「あれ?ちょっと太った?」
すると、ぴくりとして顔を上げ、
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「おまえもな」
すぐさま反論された、ような気がする。事実、私も太った。他人は己を映す鏡とよく言われるが、猫も己を映す鏡なのかもしれない。
姉の方は変わりなく元気なことを確認できたが、もう一匹の黒猫の姿が見えない。弟はどこに行ったんだ。まさか姉を残してどこかに旅立ってしまったのか。もしや、姉に食べられてしまったのか。周辺をうろうろして草むらを探ると
いた。
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熊になっていた。敵意も好意もない。無の顔でこちらを見ている。「や、冬眠中お邪魔して申し訳ないね」呼びかけても鼻ひとつ動かさずじっとしている。寒いのだろう。観察すると弟の方も無事に膨らんでいる。猫は夏と冬で毛が生え変わるというが、やはり冬毛なんだろうか。
何はともあれ兄弟の無事が確認できてよかった。また、春が来る前に会いに来ることを告げて、私はその場を去った。
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今日もお読みいただきまして、
ありがとうございます。
それでは、また明日。