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「アラジン」と「魔法のおそば」

ある日。
パリと東京、それぞれに住まうこどもたち(共に5歳)のディズニー談義を聞いていたら、興味深いフレーズが耳に飛び込んできました。

『Aladdin(アラジン)は
フランス語では「アラダン」だよ!』

『プリンセスのJasmine(ジャスミン)は
ジャスマン!』

なるほど。
「i」を「あ」と発音するのですから
当たり前と言われればそれまでですが、

『アラダンのジャスマン』とは、
なんとなく面白い響きですね。
(お茶っ葉のジャスミンも、ジャスマン。ふふふ。)

こどもたちを眺めながら、
思わずひとりでニヤニヤしてしまいました。
完全に危ないオジサンですね。
(交番に通報されなくて良かった。)

しかし歳を重ねることは悪いことばかりではないなあ、と思う事が最近ありました。

蕎麦屋さんに入った時のことです。

それまでの僕といったら食欲怪獣マルダシ。
天ぷら食べたいし、親子丼を横に置いておきたい。
冷たいざるそばはマスト。そば湯が飲みたい。
しかしカレー南蛮も気になる。
いやまず、だし巻きを忘れてはならない。
そして天ぷらは食べたい。
え、季節のおそばだって?

と鼻息荒くメニューに熱視線を注ぎすぎて、
穴を開けかねない勢いであったのですが、
その日は静かなこころで

「納豆そばで。」

まさに年の功。
天ぷらの誘惑をものともせず、
スマートに注文することができたのです。

これが功を奏します。
蕎麦屋さんの「納豆そば」は恐ろしく美味しいのです。

「そば」そのものがおいしいはもちろんですが、
「納豆」には蕎麦屋さんの生命線たる「つゆ」がかかり、「かつおぶし」「ねぎ」「のり」「わさび」の薬味カルテットのパフォーマンスの高さたるや。

それらが渾然一体となって奏でるハーモニーは
もはや魔法と形容したいほどでありました。

お腹の具合もちょうどよく、食べたいものを過不足なく選ぶことができるようになったという達成感。
帰宅後のビールが格別であったことは言うまでもありません。(いつも美味しいけれど。)

本日のトップ画像は麻布十番にお店を構える老舗『総本家 更科堀井』さんの納豆そばです。

お近くにお立ちよりの際は、ぜひお試しいただきたい逸品です。


それでは、また明日。




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