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「眠れる朝の主婦」と「根付き芹と鴨肉の鍋」

二度寝の味は蜜の味。

春眠暁を覚えずとはよく言ったものですが、
暖かな季節の朝寝は、なんとも気持ちが良いものです。

それに天気が良いと輪をかけて気持ちが良い。
せっかくの陽気なのに、洗濯もしないジョギングもしない。背徳感のかくし味が眠りにコクをプラス。

ソフランのクマのようにふわふわと、ちぎれては浮かぶ とりとめのない夢を半寝で追いかける幸せたるや。どうかこのまま日の暮れるまで、と乞い願う。

しかし、
そうは問屋が卸さない。
そうはイカの金時計なのです。

本当はわかっているんです。
こんな幸せがずっと続くわけないって。

目を背けているだけなんです。
数分後に迫る、まぬがれられない運命
「朝のしたく」から。

子どもの朝ごはん、着替え、歯磨き、ゴミ出し、意味もなくさわぐ猫。飛び交う弾丸のスキマを縫うように自身の支度。


暖かな惰眠の幻想のなかでも、
あたまの奥の奥、つめたく固く小さい意識が現実を見つめているんです。

まもなく、起きねばならぬ。
「したく戦争」が始まる。

意識と無意識、夢と現のあいだで揺れながら、
終わると知りつつ噛み締める。


二度寝の味は蜜の味。



はい。
与太話もほどほどに食事の話をしましょう。


蜜の味といえば
「他人の不幸は蜜の味」という言葉が有名ですが、
ドイツには「隣の不幸は鴨の味」という言い方もあるようです。

鴨!ドイツにおける鴨の市民権の高さをうかがわせる興味深い文句ですね。

と、いうことで本日はトップの写真、
「根付き芹と鴨肉の鍋」をご紹介。

敬愛してやまない兵庫県の野菜居酒屋「いたぎ家」さんのお取り寄せなのですが、コレが絶品なのです。

鴨肉の野性味あふれる力強い旨味に、芹のハーバルな香り。根っこのオトナな苦味が飲み助に語りかける。

「ヤア、今日はとことん行こうじゃないか。ビールに日本酒、赤ワイン。なんでもドンとこいだ!」

と。事実お酒との相性は最高なのです。
芹のシーズン中にもう一度お目にかかりたいものです。

それでは、また明日。

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