Time is money. よりTiming is money.
ビジネスの鉄則は、
「顧客の要求に基づき、その納期に合わせて回答する」
ということです。
その昔、Time is money. と教わりましたが、時代が進むにつれて
それでは不十分で、Timing is money.と言われ始めました。
早急に顧客に回答しても、タイミングがずれていては物事は
決まりません。
私は、ある外資系カーメーカーの副社長をやっていた時、上司である
社長はいつも「議論して、分析して、でもまた議論して、分析して・・・」
を繰り返すばかりの人で、Decisionをしない人でした。
入社したばかりの時、日本全国からディーラーの社長が集まって
次年度の販売方針を決める会議がありました。
いくつかの議題が話されてその会議は終了しましたが、ある社長が
私のところへやってきてこう言いました。
社長:「佐東さん、今日の議題は3年間変わらないんですよ」
私:「えっ、どういう意味ですか?」
社長:「だから、ここの社長はいつも議論と、分析だけで一回も決断して
決めたことはないんですよ。これでは車は売れませんよ」と。
その足で、社長のところに言って話したら、上のやり取りの繰り返し
でした。これでは仕事になりません。
日本全国からわざわざ集まっていただいても、なにも結論としての
お土産がなければ、時間の無駄です。
そんなことが(何も決まらないことが)半年も続き、私も何度
言っても変わらない社長に愛想をつかせ、もうこの会社からは
何も得られるものはないと、退社する決心をしアジアパシフィック
の責任者に伝えに行きました。
その時に先に言われたのは「社長には辞めてもらうことにしました」と。
でも、自分が辞めることを言いに行ったので、そのまま辞表を出し
辞める決断は変えませんでした。
TimingよくDecisionをしないトップは、顧客の要求を満たさない
どころか、「時間の無駄」という大きなデメリットを相手に
与えてしまいますから、退場するしか選択肢はありません。
議論も、分析も重要ですが、Timingがずれてしまっては、
何の役にも立ちません。
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